本文の前に、未視聴地域のプロデューサーさん向けの一口感想。

いい最終回だった、という言葉が冗談でもなく褒め言葉としてピタリと当てはまる回でした。
前回に続くエピローグとして、そしてアイマスの登場人物たちそれぞれの物語を締めくくる1つのラストの形として。
今までが錦織監督によるアイマスワールドの『再現』もしくは表現・解説とするならば、今回はハッキリ言って『進化』あるいは『深化』に値する、特別なエピソードとなったでしょう。

ネタバレ防止のために本文は続きに格納します。

第二十一話「まるで花が咲くように」
1_20111125170013

アバンは駅構内のKEROSKから。
千早の過去について本人がその真実を語ったと、新聞の一面には飾られていました。

沈黙は金と言えども、千早が真実を語らなければ、噂や誤解はよりあくどい方向へ広がってしまう。
もちろん、個人の事情など本来世間に解説する必要はないのですが、千早はそれを選ばなかった。
前回を見れば、その理由はあえて言う必要はないでしょう。
しかし過去と向き合う勇気を持てたとは言え、いざそれを言葉にし、公にすることの辛さはまた違う。
こうして無事に記事に載せることができたのは、プロデューサーの支えあってのことだというのは、敏腕善澤記者の発言から分かります。
それを聴き、神妙な面持ちで頷く事務員・音無小鳥。彼女の胸中とはいかに。


ここでOPのCHANGE!!!!がいつも通り挿入されるわけですが、飛ばさずに見ていた諸氏はすぐにある変化に気づいたことでしょう。
e239fb6b
千早が幼千早と共に歌うシーン。
青く寂しげだった光が暖かい橙光に変わり、苦しげだった表情が笑顔に変わっています。
例えまったく同じ表情ではなくても、二人とも同じ気持ちで歌っているのが分かる。
こういうの不意打ちでやるの勘弁してよー(´;ω;`)


場面は変わり、961プロ。
これで全ておじゃんだ、と怒り心頭の黒井社長です。
これまでのお話で度々描かれて来ましたが、961プロの仕掛けは小細工過ぎるせいで乗り越えると大抵765プロへの大きなプラスになるんですよねw
この効果は後にもう1つ描かれることになります。


千早が真実を公表してから初の舞台として選んだのは「IDOL JAM」というライブイベント。
参加者は765プロメンバー以外にも木星、新幹少女、バリウム、京都男子流・・・日本のトップクラスのメンバーが集まるライブイベントのようです。
10話ではまだ765プロアイドルにとっても憧れの存在だったバリウムとも並び立ち、ついにここまで来たかといったところ。
同じく10話ではバリウムより人気は一段下だったであろう新幹少女も765プロに負けず劣らずのトップアイドル。少しは心を入れ替えたのでしょうか?w
京都男子流は明らかに東京女子流の安直なパロw
木星以外の男性ユニットとして設定されたようですが、京男子のショタユニットか・・・ふむ(ぇ


さて、今回のライブは千早にとって試練だ、と述べるのは秋月律子P。
前回で復活を遂げたとは言え、あれは規模の小さいライブハウスでしかも765プロファンで固められた、いわゆるホームグラウンド。
自分のファンでない観客も大勢いる野外ステージとは訳が違う。
しかし赤羽根Pは、千早の歌を聴いてもらえればきっと大丈夫だ、とアイドルへの信頼を見せます。いつの間にかバネPもかなり成長したよなぁ・・・。

そのためには全てをアイドルに任せるのではなく、自分に出来ることは全てやらねばならない。
出来るだけいいコンディションでステージに立たせてあげよう。
そう決意した矢先から問題が発生(汗
頼んでいたはずのヘアメイクさんが、765プロを騙る電話でキャンセルを受けてしまいメイクを自分たちでやる羽目に。
何かもうピザとかそばの出前を大量注文するレベルの嫌がらせだなオイ(;´Д`)
変更にはちゃんと文書に残る確認を入れるべし。ホウレンソウと同じくらい社会人の基本です。

5_20111125164657
早速ライブに暗雲が立ち込めてきたわけですが、みんなの太陽春香さんの一言で気を取り直します。
悩んでいてもしかたない。自分たちでやれることをやるしかない。
こういったポジティブさは、初期の頃から一貫して描かれてきました。
そう言えば、2話3話ではメイクなんて当たり前のように自分たちでやっていたのに、いつの間にかプロに任せるのが当たり前になっていたんですね。
もちろんそれはトップアイドルとして悪いことではないのですが、春香さんの一言で初心に返ったようにみんなが生き生きするのはよい。とてもよいと思います。
そして「ですよね?プロデューサーさん」という春香の笑顔。
知らず知らずのうちに、完璧にリーダーの役割をこなしているんですよね。

bb1ab090
メイクをする千早に真顔でずずいと迫り、おもむろに顔を貸してくださいという貴音。
若干引き気味の千早に、貴音はささっとメイクを整えてあげます。
この辺り、19話の「ジョークは得意なのです」が生きているかな?w
ちょっとした感情の落差で緊張を解す、高度なテクニックです。
顔がほころんだ千早の反応に、思わず他のアイドルたちもほっこり。
今回のライブが千早にとって大きな壁であることはアイドルたちも十分に認識している様子です。
また、貴音以外にもみんながお互いのヘアセットをしている構図がとても良いなあ。


一方、黒井社長はライブの音響担当スタッフには何やら話しかけていました。
その様子を見かけた冬馬が止めに行こうとしますが、木星のステージが始まってしまい、冬馬は仕方なくその場を立ち去ります。

7_20111125164652
ライブ会場に木星の『恋をはじめよう』が流れる中、無心で自分の歌に集中する千早。
ある意味最大の敵である木星を障害と見なしていないことを暗に示しています。
それは、木星の歌が響く控え室のテントにいる全員が同じ。準備はバッチリです。
ところが、ここでとんでもない事態に。
765プロが使用するはずだった楽曲データに不具合が発生し、音楽を流せなくなってしまったとのこと。
全体のプログラムは変えられないから順番を飛ばすしか・・・と説明するスタッフ。
しかし、なるべく早く話を切り上げたい、という様子から明らかに嘘であることがわかります。

一体どんな条件を提示すれば音響担当をここまで言いくるめられるんだろうか。
そもそも曲を飛ばすこと自体も主催者判断じゃないと無理じゃないか?w
まあ多少展開に無理があるのは今更であるとして。

当然765プロが、プロデューサーがそんなことで諦めるわけがない。
このステージは、千早のための大事な舞台なのだから。
音源データを渡し、スタッフについて一緒に向かうプロデューサー。
意図的かどうかは分かりませんが、これはグッジョブ。音源を持ってきていたのも偉いですが、ただ渡しただけでは破棄される可能性もありましたしね。
なんだかんだと言い訳して諦めてもらおうとするスタッフに、頭を90度に下げて意地でも食い下がるプロデューサー。
6_20111125164657
「どうしても・・・歌わせてやりたいんです・・・!」
あまりの熱意にスタッフも突っぱねることができませんでした。

そんなプロデューサーの背中を見送って、黒井社長はせせら笑います。
「いつまでも熟すことのない青い実が・・・身の程を知るがいい」、と。
うーん、どういう意味でしょう。いつもの思いつきの言葉の羅列か、黒井社長の信念にとって765プロを未熟と判断する何かがあるのか。


ステージ上では「恋をはじめよう」が華麗な終わりを迎えていました。
最後にバク転と恋が始まるポーズがなかったのは手抜きと言わざるをえない!w
木星の出番もそろそろ終わり、その後は765プロの出番。
メイク程度ならまだしも、オケなしとあってはアイドルたちの不安もそう簡単には消えません。
だからと言って諦めるわけにはいかないのは、律子や他のアイドルたちだって同じです。
千早のために。
8_20111125164618
1曲目を歌う千早はいつオケが戻ってもいいようにスタンバってもらい、他の全員でそれまでの繋ぎを行う。律子らしい盤石な良手です。
何か言いたげな千早ですが、盛り上がっているみんなの様子に声をかけることが出来ません。
それに唯一気づいたのは春香でした。

59c54b68
2人でテントの外に出て、千早が話しやすいように水を向ける春香さんの気遣いが純粋にすごい。
これは自分の我儘ではないか、そう言って話すのをためらう千早ですが、
「千早ちゃんが本当にしたいこと、ちゃんと聞かせて欲しいな。みんなも、きっとそうだと思うよ」
という春香の笑顔に励まされて、決意をします。

テントに戻った千早は、みんなに自分の想いを告げました。
「この前のライブでも、みんなが私のことを支えてくれたから、何とか歌うことができたわ。そのことは、すごくありがたいと思ってる」
「でも私、いつまでもみんなの優しさに甘えてはいられない」
「だから、例え音がなくても、ここは私が歌うべきなんだと思う」
予定にもなかったアカペラで、最初のステージに1人で立つ、ということ。
流石に律子は千早を止めようとします。
意外と弱気な律子の性格が出たのと、千早への心配が半々といったところでしょうか。
しかし、
「でも、私は今歌いたい。今日この場で証明したいの」
「私はもう大丈夫・・・みんなが取り戻してくれたこの声があるなら、私はきっと1人で飛び立てる
「それをみんなに見て欲しい!」
千早はハッキリと言い切りました。
自分の思いが伝わるかどうか、不安に手を震わせながら。
果たして、春香がそう言った通り、千早の想いは通じました。
みんな千早の言葉が聴きたかったのです。だから不安で、千早のためにできることはアレコレ何でもしてあげようとしていた。
その千早が見守ってくれと言うのなら。
全員がそれぞれに千早に励ましの言葉を贈り、ステージへ送り出します。
そんな千早に、春香はそっと微笑みを投げかけるのでした。


今の千早には、大歓声を浴びてステージから退場する木星も最早眼中に入ってはいません。
自分の歌を、ファンに、みんなに、届けるために。
11_20111125164617
笑顔で。
千早の登場にざわめく会場で、静かに千早の歌声が流れだします。

12_20111125164617
――『眠り姫』

ずっと眠っていられたら
この悲しみを忘れられる
そう願い 眠りについた夜もある

ふたり過ごした遠い日々
記憶の中の光と影
今もまだ心の迷路 彷徨う

あれは 儚い夢
そう あなたと見た 泡沫の夢
たとえ100年の眠りでさえ
いつか物語なら終わってく
最後のページめくったら

9198e9f3

眠り姫 目覚める 私は今
誰の助けも借りず
たった独りでも
明日へ 歩き出すために

朝の光が眩しくて涙溢れても
瞳を上げたままで


・・・まさか、ここで眠り姫とは。
20話で眠り姫が来ると予想した人も多いでしょう。
しかし、歌詞を見ての通り、眠り姫は孤独に耐え悲しみを一人で乗り越える歌なんですよね。
だから20話ではまったくテーマが異なってしまう。
眠り姫はアニメでは封印か・・・?と思いきや、ここだ。
悲しみに囚われた千早の手を引いて助けたのは春香と仲間たちだった。
だからこそ、千早自身が言ったように、これからは一人で歩ける勇気を持ちたいと千早は願ったのだ。
いつまでも手を引いてもらっては、彼女たちの後ろしか歩けない。
胸を張って並んで歩ける仲間になりたいからこそ、自分の足で歩かなければならない。
「誰の助けも借りずたった独りでも明日へ歩き出す」
仲間が共にいるからこそ、一人で歩く。
・・・元来の眠り姫が完全に千早の孤独だけを表現していた(少なくとも私はそう解釈していた)ものが、この21話で千早が歌うことによって、まったく別の新しい意味、新しい歌に生まれ変わった。
衝撃的、でした。
ここでの眠り姫はシナリオ上まったく違和感がなく、しかし元の眠り姫を否定するわけでもなく、新しい『眠り姫』が生まれたことに強く衝撃を受けました。
感動で涙する、というより畏敬に近い。原作愛やリスペクトの一つの到達点だと思います。

そしてまたこの歌アカペラすごく似合うんだこれが!
まさかライブ以上に魂を震わせられるとは思いませんでした。
それに感じ入った音響スタッフが妨害を諦め、絶妙なタイミングで曲を差し込むというねw
前述しましたが、これも黒井社長の小細工が完全に裏目になって最高の演出になっています。
もちろん、これを演出にまで昇華したのは千早の決意とこの素晴らしい曲と今井女史の歌があってのことなんですが。
悪意の妨害を善良な決意で覆し、むしろ援護に変えてしまうのは伝統的にして最高のカタルシスです。
多分これまで961プロ関連で何となく感じていた不満は、この逆転劇の不足に由来するものではないかと愚考します。


さらなる妨害を仕掛けようとする黒井社長を止める冬馬と北斗と翔太。
アニメではあまり描かれてはいませんが、ジュピターは3人ともファンを大切にしています。
このテのライバルキャラはファンを蔑ろにしたり内心見下しているといった設定がつきものですが、意外にも?はそんなことはありません。
それだけに、千早の歌で、紛れも無い765プロの実力で楽しんでいる観客に水を差そうとした黒井社長は許せなかったことでしょう。
15_20111125164527
「俺達は・・・俺達は利用されるために歌ってるんじゃねぇんだよ!!」
この『俺達』には、765プロを含む全てのアイドルが入っていて欲しいと願う。

ついに喧嘩別れとなった黒井社長とジュピター。
自分の言うとおりにならない駒など必要ない。
黒井社長はご自慢の木星にもさっさと見切りをつけると高笑いを上げながら一人で去ってしまいました。
ここで木星に泣きつくのは三流の小物。小物キングはそんなみっともない真似はしないのである。

そして、高木社長と黒井社長の一瞬の邂逅。
黒井社長は何も言わず、不機嫌そうに鼻を鳴らして去って行きました。
いかに961プロが強大とは言え、木星を失った今人気絶頂の765プロに勝てる手駒がいません。
ここに、961プロと765プロの対決は一応の決着を見せるのでした。


木星をも凌ぐ大歓声に包まれて、千早の完全復活は遂げられました。
これには流石に冬馬もその実力を認めざるをえないといった様子。
ステージ袖でずっと見守ってくれたみんなに、ありがとう、と述べる千早。
次のステージの準備にみんなが慌てて向かう中、千早は春香にだけもう1度、
4135354b
「ありがとう」
を伝えるのでした。
前回の「ありがとう」とも、さっきの「ありがとう」とも違う、特別な「ありがとう」。
bf09ff72
春香は泣きそうな顔でその言葉を受け取り、何でもない事のように小さく首を振って微笑むのでした。
はるちは・・・最高すぎんよ・・・。


dd5f04be
イベントが終了し、木星はプロデューサーに謝罪を伝えると一からやり直すと言って去って行きました。
ゲームでは木星のその後は描かれていませんが、アニメではどうなるでしょうか。

社長の案内で、とあるお洒落なバーに案内される765プロ一同。
客層が政財界の大物ばかり、と一目で見抜くのは社交界デビュー済みの伊織。
そのカウンター席には、何と善澤記者と黒井社長の姿がありました。
流石に顔を曇らせる千早。それを横目で見て、
「ちょぉっと!何でアイツがここにいるのよ、気分悪いじゃない!追い返してやるわよ」
と息巻く伊織。
いやぁ、何と言ってもここの伊織が最高に可愛い。
明らかに千早を見ていながら、自分がムカつくから、なんて言うんですよ。
仲間のことを強く心配していても決して誰かのためとか言わないし、あくまで自分のワガママ、何があっても自分の責任として矢面に立って行動しようとする。
いおりんはいつだってそうなんです。本当に、本当に優しい娘だ。
だから、千早が自分は大丈夫だからと声をかけると、
「だったら、私はいいんだけど・・・」
と、自分のワガママだったはずなのに引いてしまう(・∀・)ニヤニヤ
「水瀬さん、ありがとう」
と、その気遣いにもちろん気づいている千早にお礼を言われると、顔を赤くして目を背けるだけ。
これこれ!これですよこれ!
水瀬伊織こそ真のツンデレである。・・・と言うと、矮小な言葉で括るなと本人に怒られますがw


さて、こんな大人の香りただようバーに社長がみんなを連れてきた理由。それは。
21_20111125164336
シンガーとして舞台に立ったのは、普段の事務服からは考えられない大人の色香を纏わせた事務員・音無小鳥。
お洒落バーに入った時点でそんな予感はしていたのですが・・・まさかまさかですよ。
Aパートのアカペラも音無しと掛けたという説がありますが、さて真偽のほどはいかにw

22_20111125164335
彼女が歌うのは、『花』
野花が空に向かってしっかりと咲き誇るように、夢を諦めない力を与えてくれるしっとりとした応援歌。
いつもアイドルたちを見守って、影となって支えてきた小鳥さんだからこそ歌える、温かい歌です。


20_20111125164336
並んでカウンターに座り、言葉を交わす黒井社長と高木社長。
愛娘にも等しいアイドルたちを散々に貶され、陥れられたはずなのに、高木社長は怒りの感情の一片も見せることはありませんでした。
ただ、昔を懐かしむように静かに語りかけるばかり。
『変わらない』黒井社長と、『変わった』高木社長。
同じ酒を好み、同じように飲む二人。
この二人の関係は、ただのライバルと表現するには複雑すぎるのかもしれません。
黒井社長にしても、確かにあくどい手段を使いますが、やろうと思えばもっと酷いこともできたはず。
それをやってしまわない、最後の一線を守っているからこそ、まだこうして2人が並んでグラスを傾けることが出来るのでしょう。
黒井社長は善澤さんが隣に座ることを許し、高木社長が来るのを待っていた。
その程度には、この場を失いたくないと考えているのではないかと。
春香と千早ではないですが、黒井社長が本当にただの悪人に成り下がってしまわない最後の一線を守っているのは、高木社長かもしれません。

23_20111125164335
そして意味ありげに示された1枚の写真。
高木社長、黒井社長、若い善澤さん、若いマスター、そして音無小鳥・・・に、よく似た人物。
小鳥さんに似ていますが、小鳥さんは泣きぼくろではありません。
スタッフが指定間違いをしたのでなければ・・・これはおそらく小鳥さんの母親。
高木社長と小鳥ママに何らかの関係があったことは原作でも示唆されていますが、具体的な過去までは分かっていません。
アニメでもその辺りは詳しく説明をしない模様。しかし、後の小鳥さんの台詞から、小鳥さん自身がアイドルを目指したことはない・・・?ような気がします。

「アイドルと信頼関係だと!?バカバカしい」
「若い人達を信じて、自由にやらせてみるのもいいと思うがねぇ。彼らに気付かされることもある」
ある意味では赤羽根P以上に何もしなかった高木社長。
もちろん、14話での赤羽根Pの言葉を信じて、全てを任せた結果ではありますが。
若い人、というのは勿論アイドルだけではない。アイドルたちと、それを信じるプロデューサー。
そして彼らの団結力こそが、どんな困難も乗り越える力になると信じる社長がいたからこそ、彼女たちはここまで登り詰めることができた。それは高木社長の功績でもあると言えるかもしれません。

その一方で、木星の実力を見抜きながら手駒としか見ていなかった黒井社長は、敗れ去ることになるわけです。
しかしそれは、黒井社長の全てを否定することになるでしょうか。
1話から今まで、765プロのアイドルたちがぶつかってきた壁は、何も961プロが仕掛けたものだけではありませんでした。その全てをアイドルや未熟なプロデューサーに任せていることは、黒井社長には放任主義と映るのかもしれませんね。
過保護とは少し違いますが、黒井社長は木星に立ちはだかりそうな障害は大小を問わず全て取り除いていたと考えられます。
歪ではありますが、それも一種の優しさと呼べるかもしれません。
善澤記者はそれを評して「根は悪く無い奴」と言っているのでしょう。私はそう考えています。


25_20111125164335
小さなバーで一握りの人を相手に歌を歌う小鳥さん。
大舞台で何万人もの人に歌を届けるアイドルとは、ある意味では雲泥の差です。
しかし、とても楽しそうに小鳥さんは歌っていました。
おそらくアイドルになっていれば一角の存在になれたであろう音無小鳥は、小さなバーで時折歌を歌うだけの道を選びました。
過去には色々あったが、結局アイドルを目指さなかった/途中で諦めた、どちらなのでしょうか。
しかし、小鳥さんは今が幸せだと語ります。
26_20111125164244
歌う幸せは人それぞれ。
過去も気にはなりますが、少なくともそれは"今"を進むアイドルたちには関係のない話。
彼女たちがトップアイドルとして輝くのが夢。それを手助けできる今が、自分にとっての幸せ。
そう言って、小鳥さんは優しく微笑むのでした。
マジ結婚してくれ。


歌が好きで、アイドルになれる素質を持ちながら、別の道を選んだ先輩。
その歌を聞いたはるちはみきは、眩しい明かりの煌く街路を歩きながら、『アイドル』について語ります。
a3ed79f7
「ミキ的には、キラキラーって輝いてる人かなって思うな」
「人の心に幸せを届けることが出来る人、ってことなのかもしれない。私はそれが、歌で出来るようになりたいと思う」
しかしここでも、まだ春香の答えは出てきませんでした。
17話でも触れられましたが、やはりここからは「『アイドル』とは何か」が主題になってくるのでしょう。
考えて見れば、1話ですでに道は示されていたんですよね。
あのときは「憧れ」と答えた春香。半年以上が過ぎ、「憧れ」を実現した彼女が掴む答えとはいかなるものになるでしょうか。楽しみです。
27_20111125164244
29_20111125164244
28_20111125164244
で、千早のこの表情ですよ!(´;ω;`)
そしてさり気なく腕を組んでいるゆきまこw


EDは小鳥さん初の持ち歌にして、数あるアイマス楽曲の中でも五指に入る人気を誇る神曲『空』。
辛いことも楽しいことも心に抱えて、巡る日々を越えて次の時代へと進む美しさを虹のように歌った珠玉の名曲。
30_20111125164243
31_20111125164243
34_20111125164011
36_20111125164011

"おしまい"を迎えた小鳥さんの過去も、今という新しい"はじまり"に繋がっている。
それは敗北した黒井社長であったり、昔と変わった高木社長であったり、解散した木星であったり、一人で歩き出した千早であったり、765プロのアイドルたちも、それぞれ同じように"おしまい"と"はじまり"が連なる日々を過ごしているのだ。
まさに今回を締めくくるに相応しい一曲と言えるでしょう。


さて次回。
いよいよクリスマス!('A`)
ふん、毎年クリスマスは雪歩の誕生日を祝うんだもんね〜。
現実の時系列に合わせてクリスマスで終わらせるかと思いきや、ここでクリスマスを持ってきたってことはその次は夏休み最終日ちょうど1年で締めくくるつもりでしょうね。
しかしここで木星も961プロもリタイアしちゃったらこの後どーするんだろうw
第1話からそうだったけど、本当にアニマスは一切先を読ませてくれないなー。
もう障害もないしトップアイドルになって終わるだけとしか思えないが・・・はてさて。

37_20111125164011
次回「聖夜の夜に」

ここで高橋脚本回!いろんな意味で楽しみです。それでは。