最近見た映画の感想でも。
「シュタインズ・ゲート」「プリキュアNS」「ドラゴンボール」「シュガーラッシュ」のネタバレ注意。
核心的な部分やオチの話はなるべく避けるので、見るかどうかの参考にしたい人もどうぞ。
●劇場版シュタインズゲート 負荷領域のデジャヴ
延々と飛行機が飛ぶだけの謎OPの時点でかなり嫌な予感がしたのですが、内容はまあまあまとまっていたと思います。
詳しく考えると破綻しそうな設定がボロンボロン出てくるので、あまり深く考えないのが吉。
すでに公開されている通り、アニメの最終話から1年後の世界線なので、その点で原作ともともと設定が異なる部分もあったりで、何が正しくて間違ってるのか自分でもよく分かってないせいもありますがw

理由と解決方法はさておき、要はシュタインズゲートがオカリンの存在が消える世界線になりそうなんで嫁が頑張る話。
タイムリープマシンを作ったりしてオカリンの苦悩をクリスが追体験するわけですね。
肝心のその辺りが少し雑と言うか・・・キャラクターの感情や読み手に伝えたい内容を全部台詞にしてキャラに喋らせる花田大先生の悪い癖が出てました。
もっとオカリンが消えて誰もそれを覚えていない描写をSFホラーちっくに盛り上げて欲しかったのもある。
アニメで秋葉原がただの電気街になるシーンとか割と描写上手かったのになー。
クリスにはリーディングシュタイナーがないので描くのが難しいとは思うが。
映画の時間自体は長めだったのに、最初のもうお前ら結婚しろよシーンに尺を割きすぎたのが、後半の描写不足に出てるかもしれない。
それでも、オカリンとクリスの熱演だけでやっぱり目頭が熱くなるね!こればかりは色褪せない魅力だ。

ショタ部を狙うクリスの野獣の眼光にちょっと笑ってしまった。そんなシーンじゃないんだけどもw
原作ファンへのサービスとして、アニメではやれなかった永久サイクリングとか萎えさん覚醒とかちょっとやってくれたのは嬉しかった。
まとめると、オマケとしては十分な出来。しかしアニメ版に匹敵するほどの感動は得られない・・・といったところか。


●プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち
泣いた!感動した!最高だった!
全体的にプリキュアの単体映画にも匹敵するクオリティでした。NSに入ってからシナリオも練られてて非常によいのですが、それにしてもここまでのものとは。
ただしあまりに多いプリキュアに対処するため、まともに喋ったり出番があったのが無印、ハトプリ(ブロッサムとマリン)、スマプリ、ドキプリくらいでした。
近年作の2つはともかく、無印とハトプリのチョイスが完全に俺得。自分内の評価が高いのはそのせいもあるので、逆に推しプリキュアの出番が少なかった人には残念だったかも。
でも、中途半端に出番を平等にするより、毎年ちょっとずつ出番のあるプリキュアを変えていくほうが面白い構成になると確信しました。

スタッフに愛されすぎなマリンやあざとさ全開のピースなど笑いの見どころあれば、水晶に閉じ込められながらのみゆきの
「いいよ。だからもう泣かないで」
からもうずっとハンカチが手放せないのなんのって(´;ω;`)
自分たちが騙されたことには何も言わず、エンエンが後悔に泣き続けるほうが彼女にとっては気がかりだった。その心の強さ、優しさったらもう。
グレルを責めず、見捨てず、自分を助けてくれた唯一の友達に手を差し伸べ続けたエンエンも、自分の弱さと向き合う勇気を手に入れたグレルにも感動して泣きっぱなしだった。
玉川砂記子さん、愛河里花子さんというベテランによる熱演も忘れてはいけない。
最後に影水晶が残ったのは完璧だった。影水晶自体は善悪ではなく、あくまで試練だものね。
グレルとエンエン、来期のプリキュアの妖精にならないかなあ・・・。


●ドラゴンボールZ 神と神
実に17年ぶりのDB映画ということで、思わず足を運んでしまいました。
劇場でも子供より大人になったかつての少年少女が多くいたように思いますw
それを意識してか、内容もかなり大人向けになっていました。
それはそれで悪くないんですが、見たかったのはそういうのじゃないんだなあ・・・(^_^;)

定期的に目覚めては適当に破壊を繰り返す破壊神ビルス。
ビルス様自体は善でも悪でもなく、単に破壊を司る神というだけなので界王神ですらその行動を妨げることができない。
フリーザに命令して惑星を破壊させていたのも実はビルスだった・・・などといらない後付け設定まであり。
破壊神キャラと言えば大抵は無差別に破壊を繰り返すだけの馬鹿に設定されることが多いが、ビルス様は面倒くさがりな大食漢ではあるが知能は高い。神だから。
破壊対象はただの気まぐれで選別する。
地球にやってきたのは超サイヤ人ゴッドを探してのことだったが、魔人ブウにプリンを食われてムカついたという理由で地球の破壊を決めるくらいには適当。

劇場版ドラゴンボールで倒すべき敵でない相手と戦うのは珍しいのですが、そのせいでイマイチ盛り上がらないんですよね・・・。戦闘に命のやり取り感がまったくない。
しかもビルス様は別次元レベルで強いので、戦う目的は何とかワンパンぶち込んで認めてもらって地球の破壊をやめてもらおうみたいな後ろ向きなノリ。
しかもちゃんとした戦闘に入るのが(超サイヤ人ゴッドになるのが)非常に遅い。そりゃビルス様も視聴者もイライラですよw
そのくせピラフ一味のシーンに異常なまでに時間をかける謎のファンサービス。
ピラフ一味なんて全員名前覚えてる人間が一割にも満たない(原作者すら忘れた)レベルのキャラなのに、何故か全員ドラゴンボールの力で子供にされた状態という原型すら留めない状態で登場してファンもどう反応していいかわかんねーよ!!
貴重な女性キャラのマイさんも子供トランクスにNTRれてホントに誰得だよ畜生!

という訳でまあ何というか、ドラゴンボールはZで完結したんだなあ・・・と改めて思い知らされました。
特別出演という名の芸能人キャストもとてつもなく酷かったし。
全体的にはそこまでつまらないわけじゃないんですが、何で作ったんだろうという疑問が浮かぶ一作。


●シュガーラッシュ
知り合い界隈で傑作との評判が高かった作品。気になったので見に行ったのですが、まさに火のないところに煙は立たぬ、メチャクチャ面白かったです。

アーケードゲーム筐体の中にはゲームに即した世界が存在し、そのゲームのキャラクターは自分たちが「ゲームのキャラクター」であることを認識して、遊んでくれる子どもたちを喜ばせるために各々の役割を演じている。
ゲームセンターが閉店すれば彼らの自由時間が始まるのだが、ゲーム内での役割の影響は大きく、ヒーローは常にヒーロー、悪役は本人の人間性とは関係なく嫌われ者として過ごしている。
そんな生活に疲れてしまったのが、Fix it Ferixというゲームの悪役・ラルフ。
単細胞で直情的ではあるが、心根は優しい大男である。
ゴミ溜め暮らしから抜け出すために彼は他のゲームから『ヒーローのメダル』を盗み出してしまうのだが、その騒動でシュガーラッシュというレースゲームの世界に迷い込んでしまう。
そこでラルフはヴァネロペという少女と出会い、彼女のせいでメダルを失ってしまう。メダルを取り戻すためなし崩しにヴァネロペがレースに勝つよう協力させられるのだが、何故かヴァネロペはシュガーラッシュの世界で鼻つまみ者として酷く扱われていた。
そこにはとんでもない秘密が・・・というお話。

とにかく世界観が非常によく出来ている。人間から見たゲーム画面の範囲などの細かいネタから、ゲーム世界のルールにしっかりと基づいたシナリオが否応なく気分を盛り上げる。
ゲーム筐体をそんなタコ足配線してるわけ無いだろとか、普通閉店したら筐体の電源を落とすだろ、みたいなツッコミが無粋になるくらいには完成度が高かったw
甘いタイトルの割には結構ハードなシナリオと演出で、テンポも非常にいい。
展開が「ああ、アメリカだなあw」と思う方向性に収束して期待していた内容とは違ったが、それでも老若男女万人にオススメできる見事な作品だった。
さっきも述べたが世界の描き方が秀逸で、しかも無駄な描写が一切ない。世界観そのものが伏線に繋がっていて、後半は驚きの連続だった。
ラルフと同じようにアレにはまんまと騙されてしまったしねw

老若男女誰にでも勧められると言ったが、何よりオールドゲーマーなら絶対に見るべき傑作であるのは間違いない。
ソニックやパックマンみたいな分かりやすいキャラを出すだけではなく、ドット特有の中間落ちした動きをいちいち再現したりとか、壁に向かって歩き続けるキャラクターとか、とにかくゲーマーならクスリとくる演出が散りばめられている。期待して見に行っていい。


しかし・・・リアルだったらヴァネロペは絶対厨キャラ扱いだよな・・・。ヴァネロペ厨ツマンネとか言われて大会禁止キャラになっちゃうんだろうな・・・(´;ω;`)
あと「ターボする気か!?」って台詞が出た時、スト2ターボを思い出して「(ターボしたら)いかんのか?」って思ったのは俺だけじゃないはずだw