アニマス劇場版感想・考察できました。
自分で言うのもなんですが恐ろしく長くなりました。
増殖っていうのは、後からでも気が向いた時に加筆修正する可能性があるってことでw
もちろん全力ネタバレです。注意。

眠り姫 THE SLEEPING BE@UTY
・冒頭から通算3度目の嘘劇場予告。
・「765プロ THE MOVIE PROJECT」のキチンと作られたロゴは劇中内のものかな?勢いだけだった1,2作目に比べると作中世界での定番化著しいw
・女学園百合ミステリーかと思いきや…能力バトルものだこれー!(ガビーン
・だらーんと飛んでるやよいカワユス。
・ヤンデレ雪歩!目がすっげ怖い:(;゙゚'ω゚'):
・ゆきまこ!やよいおり!あずちは!あずたか!もう何でもありや!
・突然の新曲。まさかの嘘予告でしか使用しない新曲を作るという贅沢っぷりw
・伊織=電撃能力。やよいの投げた柱を空中回転で避けたり何気に身体能力もすごく高い。
・雪歩=地面を抉る系の光弾。よく見るとちゃんとスコップの形してます。
・あずさ=テレポート。鉄板。
・響=エネルギーを動物の形に具現化。ヘ、ヘビ香ぁーっ!!
・真=炎の剣。真だけ制服がしっかりパンツスタイルなんですよね…。
・千早=防御壁。鉄板その2。
・やよい=うっうー(物理)
・律子=実は貴音が化けていた。正体明かすシーンはゾクゾク。でも教師姿可愛かったのに…。
・貴音=ただのストーリーテラーかと思ったら黒幕だった。あずささんをお姉さまと呼んでたが、あずささんは関係者なのか…?思っきし生徒側だったがw
・亜美真美=おしゃぶりを咥える程度の能力。ガミPァ!
・美希=マイクスタンドが柄になっている鎌を持つ。スーパーおにぎり波も使える。
・春香=こちらはマイクスタンドの両端に薙刀のような片刃の生えたツインブレード。1人だけ制服が露骨に古いが果たしてその正体は。
・伊織「アイドルって一体なんなのよ…!」 なんなんでしょうね…
これOVAでやりましょう。是非。その前に誰かニコマスとか作りそう。
・「日曜夜のゴールデン!765揃って大放送!帰ってきました、生っすか〜…レボリューショーン!」
 一緒に手を突き上げるのを必死で我慢しましたw

オープニング
歌マス1stでいきなり目頭が熱くなる(´;ω;`)
・活躍するアイドルたちの姿にまた涙…。
・響のサイン会で響のコスプレをした子が手前の方にいる。メガネ可愛い。
・響にサインを貰ってた子の名前はいさお君とゆうこちゃん。元ネタはあるか?
・雪歩と貴音の参加する舞台は「荊の歌姫」。やはり荊姫のオマージュか。
 雪歩はすっかり女優街道邁進中。それにしても姫騎士雪歩たまらん!!!ヒーロー雪歩の相方にヒロイン貴音を選んだ監督、有能。
・やよまみデュオは「わんつ→ているず」(マンガ版)のリスペクトに違いない!
・春香のシーンはマチアソビでのニュータイプアニメアワード受賞を思い出させる。
・スケジュールや打ち合わせの予定は全てアイドルと話し合ってから。これが765のスタンダード。
 来る仕事を何でもかんでも受けるのではなく、スケジュールは本人の意思で管理しているのが伺えるOPとなっています。
 しかし、決して仕事の手を抜くのではなく、全力でやってバッチリ決めてキッチリ時間通りに終わらせる。これぞプロフェッショナルですね。
・最後はみんな揃って事務所に集合。
 「「「ただいま、プロデューサー!」」」
 再び緩む涙腺。本当にもうド頭からどんだけだよって感じでしたw

アリーナライブ発表
・ハリウッド行きを決めた美希や、再びニューヨークでレコーディングすることになった千早を褒めるプロデューサー。
 みんな頑張ってるんですからね、と釘を刺す春香。
 そして伊織の負けず嫌い発動。懐かしいいつもの光景…。
・劇場版で壁に貼られている書はズバリ、「未来」。
・社長も揃ってみんなでミーティング。
 ここでも褒められる美希にむっとした顔のいおりんに注目。
・アリーナライブの発表、バックダンサーが参加すること、そしてリーダーの決定。
 リーダーに選ばれた春香に、「ま、しょうがないわね」と言わんばかりの微妙な表情の伊織。美希に向けるライバルの眼差しとはまた違うのがよい。
 そして美希の少し切ない表情。これは見逃してはいけない。
・アニマスはキャラクターの心情を全てセリフで喋らせるのではなく、細かい表情や動きだけで表現することがとても多いので、ちょっとしたカットでも色んなアイドルの動きに注目するとより面白みが増します。
・最高のステージを俺に見せてくれ、と軽く口を滑らせたプロデューサーにツッコミの嵐。
 この台詞と、それを見つめる律子の表情の理由は後で分かる仕組みになっています。
 最初見た時は特に気にせずスルーしたので、本当に描写がさり気ないですな(;´∀`)

出発の朝
・全員飛行機でひとっ飛び。昔の765プロなら考えられない贅沢ですw
 それと同時に、忙しいスケジュールを限界まで切り詰めていることが伺えます。
・合宿の舞台が福井県若狭であることはすでに明らかにされていますが、福井に定期路線はありませんのでこれは小松空港です。空港内の僅かなカットも本物と一致。
 地方空港にあんなでっかいジェット機は止まらないんですがw
・ちなみに本来黄色い線が引いてあるのは滑走路ではなく誘導路です。あのジェット機誘導路に降りてますね。一大事だw
・今作は私服のパターン 数が凄い。場面が変わるごとに全員違う服を着ている上、ちゃんと「このアイドルだったらこういう服を選ぶはず」という考えのもとに決定されているのです。
 それが今回20人分…気の遠くなるような作業量でしょう…。
 学園モノが制作側にも好まれる理由の一つに、キャラクターの美術設定を大幅に削減できるということがありますが、アイマスはアイドルを可愛く見せるために全力。全力なのです。

合宿1日目
・文句タラタラで階段を登る伊織をあっさり置いて行ってしまうやよい。
 テンションが上がっているせいもあるのでしょうが、体力がついていることを伺わせる描写です。
美希を起こせない雪歩があざといほど可愛い。
・美希はそのまま雪歩と真が抱えて民宿の入り口へ。真と一緒とは言え寝てる人間連れてあの階段登ったんだよな・・・2人の体力も半端ないですw
・ここでミリマス組がチラッと顔見せ。先輩を待たせないよう新人は先に現地入り。常識ですよねw
・宿の主人と女将に歓待を受けるシーン。
 「狭いとこでびっくりしたでしょう」と言う主人に「とても素敵なところですわ〜」とお世辞を返しているのは伊織。さっきまで陸の孤島だのなんだの言ってましたが、社交辞令はバッチリですw
・荷物を置いて人心地。まだ全員が揃ったわけではないですが、夏の合宿は5話を思い出させます。
 トップアイドルが揃いも揃って合宿だなんて、ホント奇跡のようなもの。
 それを生み出したのはプロデューサー2人の頑張りあってこそ。
 改めて春香はその嬉しさと感謝を噛みしめるかのように。そしてそれを見守る千早も笑顔。
・ミリオン組とご対面。
 緊張すると言っていた割には威勢のよい奈緒や、クールな志保、興味津々といった感じの星梨花、舞い上がっている可奈など、短い挨拶にも個性が垣間見えます。
・挨拶が不揃いなミリオン組と、綺麗に揃っている765組の対比。
 練習開始のシーンでも、765プロの団結力はきっちり描かれています。
・アフレコでも前置きなしで一発で揃えられるのだとか。中も外も、一緒にやってきた年季が違うw
・Tシャツが白と黒で分かれているのは本番衣装に合わせてあるんですね。

1日目の夜
・初日の練習終了。
 まだまだ序の口という余裕を見せる765組に対して、ミリオン組はもう限界といった様子。
 誇らしさでむず痒いね、こういう描写は。どうだい、俺のアイドルたちは。
ところでこのシーンにいるはずのない2人がいるんですが。声は…聞こえないかな?明らかなコンテミスですw
・やったら美味しそうな夕飯の海の幸。北陸、山陰の魚は美味いぞぉ〜。
・食事の時間にはきっちり間に合わせる貴音。別に後半出番がないわけじゃないんですが、初回はここで牡蠣を食べるシーンしかみんなの印象に残らなかったという不幸もw
・疲れと緊張からかまったく箸の進まないミリオン組を見て、席を移る春香…と雪歩!
・後ろでもぐもぐしてる響の可愛い顔にも注目。
・「練習キツくなかった?」と先輩に聞かれても正直にハイとは言い難い感じがリアルw
 しかし自分が泥を被るとしても、思い切って一番に素を見せるのはムードメーカーの奈緒。
 みんなもそれに追随して正直に気持ちを吐露します。
・真「大変だろうけど、しっかり食べないと明日が辛いよ」美奈子「ですよね!」
 この映画では出す余地もありませんでしたが、美奈子はデブ専です。事あるごとにプロデューサーを肥えさせようと画策してきます。その一端が垣間見える台詞w
・自分も少しずつ頑張ったことを話す雪歩。耳を傾ける真、貴音。ああ、11話…!
・雪歩「1人じゃ無理だったから…きっとみんなと一緒だから、頑張れたんだよ」
 アニマス脚本の特徴として『正解を最初に提示する』というものがあります。
 口に出すのは簡単だけど、実体験として手に入れるにはミリオン組はまだ遠すぎましたが。
・貴重な雪歩の先輩属性もがっちりカバー。DSでは結構愛ちゃんと絡んでるんですよ。
・奈緒「ラジオでいつも聞いてるくだりやわ!」星梨花「ホントに穴を掘るんですね!すごいです」
 そーじゃないだろw

765プロ、全員集合
・体力だけでなく、自信と積極性も身につけたやよいが真っ先に発言。
 一緒に手を上げていた千早がどんな案を出そうとしたのか気になるところ。
・ここで亜美真美、あずささんが合流し全員集合。
 あずささんがお土産に買ってきたてぬぐいまんじゅうは、鳥取銘菓「ふろしきまんじゅう」が元ネタ。
 何故鳥取なのかは言うまでもないでしょうw
・リーダーの春香を中心に、みんなで自分の意見を出し合います。
 自分がいなくなった後のために、なるべくプロデューサーは手を出さず見守ろうと努めていますね。
 この姿勢は最後まで貫かれ、プロデューサーはあらゆる問題に積極的には動きません。
 ですが、その心中は…後ほど語られることになります。
・ステージに立ちたくならないか?と問われて、「今回はプロデューサーに徹するって決めたんです」と答える律子。
 これは勿論、今後のことを含んでの発言です。試されているのはステージに上るアイドルだけじゃない。バネPがいなくなったあと、みんなを支えなければならない律子も同じ。
・それにしても、TV版のときから思っていたが、なぜバネPはあんなに執拗に律子をステージに立たせたがるのだろうか…w
・一方その頃、未だに疲れの取れないミリオン組。
 合宿全体において、誰かと一緒にいることが圧倒的に多い765組に比べて、ミリオン組は個々人が別のことをしている描写が多いです。
・そんな中、765プロの団結力に憧れを滲ませるのが可奈。
・志保はスマホを弄りながら「プロの人ってもっとドライかと思ってた」と個人主義を押し出す描写に抜かりがありません。
・なおここのシーン、765組、ミリオン組、どちらの部屋にもお菓子がたくさん転がっています。
 年頃の少女の集まりらしい表現であると同時に、『お菓子』という重要なキーワードから目を逸らさせるためのブラフではないかと睨んでみたり。
 後々「可奈食い過ぎだろ…太るぞ」と先に視聴者に思われてしまうと、クライマックスのインパクトが薄れてしまいますから。
・テレビのチャンネル回しをしても映るのは765ばかり…どんだけでしょうかw
 突然流れたKisSに一瞬ドキッとしたPも多いのでは。
・ついにぬーぬー待望のシャニスマ。
 ここで、5人が顔を輝かせてテレビに目を向けるあたり、「アイドルになりたい」という一点では彼女たちは繋がっています。
・体を起こすとき痛みに一瞬顔を歪める美奈子が芸コマ。

合宿2日目
・春香の鎖骨!
・BGMはラムネ色 青春のアレンジ。
・春香「リーダーって何するのかな」千早「私にもよくわからないけれど、いつもの春香でいいんじゃないかしら?」
 TV版で夢を自覚できていなかったときように、今度はリーダーについて思い悩む春香。
 千早は、すでに何となく答えが分かっているように見えます。
・最近写真をよく撮るようになった千早。
 「ずっと目の前の色々なことを見落としていたのかも」という台詞にまた涙。
・「人物はあまり撮ったことがない」などと言いながら春香に「撮ってもいい?」などと自分から持ちかけるあたり最高にはるちはでした。
・被写体との関係性は、ときにどんな高価なカメラや凄い腕前よりも、よい写真を生み出す。
・2日目に入りますます厳しくなるレッスン。
 雪歩の「律子さんのコーチ久々だね」という台詞に「まだまだこんなもんじゃないわよ」と私知ってるんだからアピールする伊織。実にツンデレである。
・この時ミリオン組が練習しているダンスはM@STERPIECEではなくMUSIC♪のダンスっぽい。
 よく見ると奈緒、美奈子、志保はダンスのタイミングが合っているが、他はバラバラに遅れている。
・律子に呼ばれてダンスのお手本を披露する美希。
 そのあまりの実力差に、思わず「アイドルになるなんて夢見過ぎたのかな…」と顔を曇らせるのは百合子と、ダンスの不得手な杏奈、星梨花たち。
 可奈からはそれをフォローするだけの言葉は、この時点では出てきません。

水かけワッショイ
・雪歩が穴掘りテク?を生かして井戸水を出し、真が爽やかに水を弾きます。
 真ファン必見のシーンでしたね。雪歩もマネージャーかなんかかという態度w
・年下組が休憩時間にも関わらず元気に水鉄砲で遊ぶ中、響がポツリと「ライブが終わったら美希と千早はアメリカに行っちゃうのか…」と呟きます。
 今が楽しければ楽しいほどなおさら、その先に待つ別れは辛いもの。みんなの心に、一陣の風が吹き抜けます。熱い真夏の描写から熱気を奪うミスマッチな演出が素敵でした。
・中の人をして「菩薩か」と言われるほどのプロデューサーも、アイドルたちの透けブラに思わず顔を赤らめる程度には煩悩があるようで一安心(?)
 でもあれ用意したのバネPだよね…?水で透けるってことは普通に汗でもスケスケなんじゃ…
・変態四段活用ありがとうございます!ありがとうございます!

ラムネ色 青春
・個人的に、ステージ上でダンスをするのとこういうPV風の演出は同じくらい価値があると思ってます。
 最近はアイドルアニメと言えばダンスダンスとそればかり持て囃されがちなので、その風潮には異を唱えたい。こういうPV映像だって手間は同じくらいかかります。
 特に、ラスサビのみんな笑顔で歌いながら夕日を眺めるところは何度見ても自然と涙目に(ノД`)
・一瞬なので確認しきれませんが、靴の脱ぎ散らし方もBDが出れば考察に入れたい。
 もしくはフィルムがあれば…w
・トランプをしているシーンでは亜美が伊織を巻き込んで倒れてますねあれw
・亜美真美に脅かされて逃げる雪歩のポーズちょっと可愛すぎんよ監督ゥ〜!
・雪歩にカメラを向けている人物は描かれてませんでしたが、やはり千早かな?
 雪歩はTV版のワンピースからちょっと進歩して?セパレートタイプの水着ですw
・3日目は半日くらい練習お休みにしたのかなー、などなど、色々想像させてくれる映像。
 しかし、ここではミリオン組の情報はほとんど出てきません。歌を聞かせているシーンと、洗濯物のTシャツが並んでいるところくらいでしょうか。
 基本的に映画自体が765プロの物語というこだわりがあって、できる限りミリオン組の情報については削ぎ落としてあるので出てこないのだと思いますが、個人的にはミリオン組がこの合宿であんなに全力で遊ぶような余裕がなかったんじゃないかなとも思っています。
 765組が練習休みなのにミリオン組だけ練習させたり、どこかに遊びに行くのにまったく誘わないというのは少し不自然でしょう。
・ゆきまこが仕事のために離脱。
 車の中で「ずっと合宿していたいな…」と溢す真。
 その気持ちは、きっとみんな同じ。そんなことは無理だと分かっているから、願わずにはいられない。
 「ライブ、成功させたいね」と強く前を向かせてくれるのは、雪歩。
 本当に強くなりました。そのことを律子が内心喜んでいるのも、表情から明らかです。

たるき亭にて
・ある意味一番やりそうでやらなかったBL妄想がここで…。「あともう1回くらい」と言っていたのでもう1回出番があると思った人は多いのではないでしょうかw

合宿取材の日
・合宿が5日間の設定らしいので3日目か4日目になるはずですが…詳しいことはハッキリせず。
・お化粧している響が一瞬目を奪われる可愛さ。
・ここで善澤さん登場。春香の呼び方が「春香くん」から「春香ちゃん」に変わっています。
 TV版の頃よりさらにフランクな関係になっており、時間の経過を感じさせます。
・「どうして自分がリーダーに選ばれたと思う?」という質問にもやはり答えられない春香。
 「プロデューサーさんの近くにいたからかな」なんて冗談を飛ばしますが、ある意味では真理だったり。
 「そういうところが必要なこともあるよ」と言葉を残し善澤さん退場。これも春香らしさ、という意味につながっているのか…な?
・取材は気にせず練習を、と言われてもやはり意識してしまうミリオン組。
 百合子が転倒するシーンも、背景に立ち並ぶ取材スタッフの圧迫感がある絵となってます。
 さらに杏奈、星梨花、可奈はダンスについて行けず…不穏な空気が立ち込め始めます。
・休憩中、志保を気にかけるのは伊織。
 今回春香と可奈の2人がメインテーマを描くなら、伊織と志保は裏のテーマを描いています。
 「アンタ、ずっと1人なのね」と、実はちゃんとミリオン組をよく見ていた伊織。こういう気配りが出来るのは伊織をおいて他にありません。
・「同じステージに立つ限りライバルじゃないんですか。無駄に仲良くする必要ないと思います」と、キツい言葉で765プロの団結を否定する志保。容赦なし。
「私は今でもみんなのことをライバルだと思ってるし、負けたくないと思ってるわ」
 自分に厳しく、どこまでもプライドの高い伊織だからこそ重みのある言葉。
 ライバルであることと仲間であることは共存できる、少なくとも伊織はしているんだよなあ。
・「…そうは見えない子もいるけどね」
 とは言え、春香も舞台の主役を巡って(紆余曲折あったが)勝ち取ってはいるんですよね。

憧れ
・体育館裏に行った春香は、自作の歌を歌いながらプチシューをつまみ食いしている可奈を見つけます。
 このシーンの作画についてはもう百万回言われてるので何も言いませんw
・「たくさんどうぞ!」
 いくら個包装されているとは言え、目の前で地面に落ちたお菓子を差し出すのはどうなのかw
・このシーンもほんわか描かれていますが、後半の大問題に繋がる重要なフラグなんですよね。
 可奈がこっそりお菓子を食べていたこと。(おそらく、量も結構多い)
 隠れて食べるということは、今は食べてはいけない時間か、みんなに見咎められるほど頻繁に食べていること。
 春香がそれを注意しなかったこと。
 春香自身も共犯者になるが、こちらは1個に留めるなど自制できていること。
・「アイドルになりたいって思った憧れを忘れなければ、きっと大丈夫」
 1話で春香は、アイドルとは『憧れ』だと語った。
 そして26話を駆け抜けた春香は、やはり同じ結論に、確固たる自信を持って辿り着いている。
・春香に応援してもらった可奈は、また一生懸命レッスンに励みます。
 この時踊っているのがM@STERPIECEの振り付けに見えます。

合宿最終日
・地元の人が集まってきているので、公開練習日というやつでしょうか。。
・いそいそと最後の1回の準備をする律子可愛い。
・「律子が踊る姿を見ておきたいんだ」ってもうバネPもホント罪なお人だ。そんなこと言われたら断れるわけ無いじゃーんw
・でも、みんな律子と一緒にステージに立ちたいという気持ちに嘘はない。
 ホント早く帰っておいでよ律っちゃん…プロデューサーになるのはトップアイドルになった後でいいじゃないの(ノД`)
・律子をセンターにしてGO MY WAY!!
 ちょっとやり過ぎだろと思うくらい動画枚数多いです。密度にしてTV版の2倍くらいあるんじゃないかな。
 もちろん最後律子センターで泣いた。
・おっぱいプルンプルン!

ハリウッドへ
・合宿の打ち上げは焼肉パーティ。焼肉の作画が5話よりさらにいい!w
・が、ここでもイベントランナーかよって思うほどスマホから目を離さない志保。
 1人でいるのはいいとしても、一体何をそんな熱心にスマホで見てるのかw
・可奈がこっそり春香を呼び出して告白(ぇ
 春香が「じゃあ私、自分で…」と言ったのは、『アイドルになりたいと思ったきっかけ』自身が、自分に憧れて頑張ればダイジョブダヨーなんて言ってしまったことに気づいたため。
・さすがの春香も恥ずかしさで動きがぎこちなく。これがすこぶる可愛い。
 ついに春香も、誰かの憧れとなる番がやってきました。
・楽しい雰囲気はここまで。炭火の燃えカスが、寂寥を誘います。
・プロデューサーがハリウッド行きをみんなに伝えるときに、ミリオン組まで呼ぶ必要はあったのだろうか。あまりなかった気がする。むしろ余計な騒動を見せることで動揺を与えかねないことを考えると、バネPにしては珍しく下手を打ったか。
 それとちょっと演出が冗長なのが気になったが、突然のこと過ぎてみんなの理解が遅れたという理解でいいのかな?
・ちはみきの海外デビューと反応が違うのは、やはりプロデューサーという立場の違いゆえ。
 特に千早は海外レコーディング2回目。それがアイドルたちにとって安心材料だったのでしょう。
・下を向いて辛さに耐えているのは伊織。そしてそれとは違う、俯いた美希の表情。
 美希にとって『プロデューサーがハリウッドに行くこと』自体は口に出して咎めるほど辛いことではないはずです。
 それは同じハリウッドで会える可能性が高いこともあるでしょうが、美希は765プロで誰よりも変わることを恐れず前に突き進んでいくアイドル。バネPのやろうとしていること、その思い、すぐに理解しています。
 さらに言えば、美希にとって一番辛いことは…もっと別にあるのです。
・「この先もずっと、お前たちの活躍をずっと近くで見たい。みんなをもっと上のステージに連れて行くには、俺自身もレベルアップする必要があるんだ」
 「何も今生の別れって訳じゃない。ちゃんと成長して戻ってくる。俺はお前たちの、プロデューサーだからな」
 うん、うん、これな本当にもう…ありがとう、バネP…(´;ω;`)
 これだよこれ、アイマス2でこれが言いたかったんだよ俺は!
 2だとなんかみんな本気で今生の別れみたいな反応しやがるし、Pはフォローしねえどころか「帰ってきてもプロデュースを続けられるかわからん」とか言うしさ!アホかと!
 ずっとモヤモヤしていたものが一気に晴れた気持ちでした。本当に嬉しかった。ってかやっぱゴリさんも同じこと思ってたんだろうな…なんてw

プロデューサーの伝えた言葉
・亜美真美が伊織をからかったのは、場を明るくしようとしたため。
 しかし、伊織が素直に悲しいと言えるくらいには好感度が高かったため、その目論見は失敗に。
・『寂しいこと』には人一倍敏感な響。
・千早、美希に続いてプロデューサーまでいなくなってしまう。
 春香の願った、みんなで一緒にいたいという夢は所詮夢でしかないのか。
 春香「みんなそれぞれ、進んでいくんですね…」
 P「…未来には、きっとたくさんの可能性がある。もちろん、不安も。でも俺は楽しみなんだ。みんながこの先どう変わっていくのか。どこまで進んでいけるのか。それを一緒に見届けたいと思ってる」
 春香「この先…」
 P「春香、未来は今の延長だ。だからこそ、今を大切に…悔いのないようにな」
・何度見ても泣けるシーン。23話では不幸なアクシデントで中断されてしまいましたが、あれがなければきっとこのような会話があったのだろうなと思います。焼き直しではないですが、本懐というか。
・ゲームではそらもうやりたい放題なんですが、アニメではプロデューサーが自分からアイドルの体に触れるのは本当に稀です。(社会人として当然ですが…w)
 だからこそ、春香の頭に優しく置かれた手、その意味と価値はとてつもなく大きい。
 真っ直ぐに伝えられ、託されたプロデューサーの思い。
 それがあったからこそ、春香は誰よりも早く立ち直ることができました。
・やよいはまだいいが重量級(意味深)のあずささんが乗ったら大変なことに…。
・実は枕投げのシーンは最初のプロットにはなかったのだとか。
・律子も枕投げに参戦して大アバレなわけですが、実は律子自身も改めて寂しさを感じて(あるいはアイドルたちの気持ちを察して)枕投げに参加したのかな、と思わなくもなかったり。

雨のMUSIC
・合宿終わりの積乱雲から繋いで、雨のシーン。
 アニマスでは天候の悪化=状況の悪化はお約束の演出です。
・池袋サンシャインシティ噴水広場であずさ、千早、春香のミニライブ。
 この場所が使われるのは26話から2回目ですが、ちゃんとREADY!!、CHANGE!!!!の発売イベントで2回行ってるから時系列的に(?)あってます。
・ここでのミリオン組の衣装はアリーナとはまた違うもの。765プロのMUSIC衣装をグレーで統一しジャケットがシャツと一体化して無くなったようなデザイン。
 冒頭の眠り姫で美希が着ていた衣装も既存のものとは違いますし、新規のステージ衣装も本当に種類が多いw
・このゴシップ誌、「765プロ、新幹少女、ジュピターの未来」とか「水ダイエットVS牛乳ダイエット」とか微妙に気になる記事が…w
・「765プロ神話崩壊」や「世代交代に焦ったか」などの見出しが一部の人間に強烈な皮肉を放ってますねぇw
 ホント、デレマスやミリマスの発表当時、色々好き勝手に言う人多かったです。
 それをして、「こんなの面白おかしく書いてるだけじゃない、気にしたら負けよ」と伊織が一刀両断。いやはや、なんとも痛快です。
・小鳥さん「早く雨がやみますように」
 取りも直さず、問題が解決しますようにということ。
 このシーン、閉じたはずのゴシップ誌がアップの画面では開いているw
・小鳥さん「私だって、結構寂しいんですからね」
 (結婚しよ)
 あれちょっと可愛すぎませんか。マジで。ヤバい。
・雨の中レッスンスタジオに到着する春香。そこには…
 「「「遅いよ、春香」」」
 765プロ全員の姿。泣くしかないよ、これは。23話との比較が・・・ああ、もう。
・ダンストレーナー、ボイストレーナーさんもしっかり喋ってくれて嬉しかった!
 しかもここ、雪歩ができるようになったって褒められてるけど、一緒に踊ってるのフェアリー組なんだよね…この3人と一緒に踊っても引けをとらない雪歩になったんですよ…!

765+1000000
・ここでミリオン組からメールが。送り主は美奈子。
 今回登場したミリオン組としては最年長(と言っても18ですが)になります。
 リーダーというわけではないですが、年長者の責任としてでしょうか、完全に行き詰まる前に先輩に相談するのは正しい判断です。
・自信と経験に裏打ちされた765プロにゴシップ記事は効かなくても、まだデビューもしていない新人の子にはちょっと堪えた模様。
 これは765プロにもなかった事態ですよね。765プロが売れてない頃は、ゴシップなど気にする余裕もなくただがむしゃらにやるしかなかったんだ!から。
・足を引っ張っていることを自省する杏奈と星梨花を「できないなら、できるようになるまで練習すればいいじゃない!」と叱責する志保。
 劇場版は設定が少し違うので正確なところは分かりませんが、実はミリオンライブの方では志保は何とVisualタイプであり、ダンスが苦手であると明言されています。おそらく多少なりとも劇場版の志保にもその設定は受け継がれているはずです。
 つまり志保は一番踊れているように見えますが、それはダンスが得意だからではなく、不得意であることを自覚して必死に練習したから踊れているのでしょう。
 だからこそ志保にとって『踊れない』人は『努力が足りない』と思ってしまっているのです。
 この不寛容の精神、存外真面目で謙虚な人間ほど陥りやすく、「自分みたいな奴でもできているんだから、他人ができないのは努力を怠っているに違いない」と思ったこと、ないでしょうか?
 それが正しくないことは、合宿で春香が言っています。「すぐに踊れるようになる人もいるけど、覚えるスピードは人それぞれ」だと。
・結局、ミリオン組はプロデューサーの一声で765プロが預かることに。
 ここも、決断はバネPがしたものの、事務手続きは律子が動いています。
・春香の回想で、可奈が765プロのように、春香のように振る舞おうとして志保に叱責されています。
 『みんなで一緒に』は、協力してくれる仲間がいないと成り立たない。誰か一人でも反対すれば、容易く崩れてしまう脆さを秘めています。
 可奈も勇気を持って教えて欲しいと言い出せればよかったのですが。
 それ故に春香の、765プロのみんなの、『みんなで一緒に』という思いがどれほど強いものか分かるでしょう。
・可奈は「みんなと一緒に…」と言おうとして「私、頑張ります」に訂正している。これが非常に重要な伏線となる。
・リーダー失格ですね、と落ち込む春香を励ますプロデューサー。
 「そう重く受け止めなくていいんじゃないか?」
 春香の視界からゴシップ誌を取り上げて、こんなもの何でもないと軽く扱う明示的な演出。
・そして何故か安定しない背景のPS3のカラーw

可奈の欠けた日々
・響が見ている奈緒と美奈子のダンスはGO MY WAY。
・ステージ演出を巡って伊織と真が口論を始めるが、お互いを信頼しているからこそ忌憚のない意見のぶつけ合いができるというもの。
 「喧嘩でしょうか…」と目を丸くする星梨花に対し、「違うと思う」と弱い口調ながら断言するのは杏奈。
 引っ込み思案ではありますが、物事を正しく理解する眼力は備わっている様子。
・春香はまたもやピピン板橋と衝突。これで通算4度目である。いい加減恋をはじめようとかそういうことにはならんか。(荒れる発言)
・春香がライブに誘ってくれたお礼を言ったとき、お前ライブ来なかっただろって冬馬にツッコまれるかと思いましたw
・「まあ、お前らが俺たちに差を見せつけたいってんなら、挑戦状受けて立つぜ」
 イケメンにのみ許されるチケ乞食。
・背景にしっかり新幹少女のポスターあり。

志保との口論
・ミリオン組は個人の技量こそ上がっているものの、全体に統一感がないため逆に個人の差が出てしまいバラバラに見えるとのこと。
 亜美にすら技術レベルで指摘される辺り、亜美の成長とミリオン組の新人度合いが伺えます。
 貴音もよく話し合うことが大事だと春香に持ちかける。これは勿論、19話の教訓。
・春香のダンスをこのままのレベルにするかという問いかけに、即座に手を挙げる志保と奈緒、少し迷って美奈子が手を上げます。
 美奈子は本家でもDanceタイプでもありますし、ダンスについて心配はありません。ステージで全力を出すことにも異存がない。それでも一瞬躊躇したのは、杏奈や星梨花、可奈のことが一瞬頭をよぎったからではないでしょうか。
 ミリオン組をチームとして比較的強く認識はしていると考えていいでしょう。
・それから杏奈と星梨花が手を上げないのを見て、百合子が意を決して手を上げます。彼女もどちらかと言えばダンスできない組なのですが、「アイドルなんて夢見過ぎてたのかな…」と言っていたとは思えないほど根性はあるようです。
・春香に演出を変えようと言われて、思わず立ち上がって反対する奈緒。
 合宿でもありましたが、相手が先輩であっても物怖じしない性格が出ています。
・それを諌めようと引っ張る美奈子の手が地味に可愛い。そしてそれでも奈緒は止まらない。
 ついには「私も気持ち的には待ってあげたいです!でも、私たちのフォーメーションのこともあるし…」と美奈子も奈緒の情熱に絆されるように。
 やっぱりミリオン組みんなのことをちゃんと考えてるんだよね。美奈子は。
・可奈からのメールと突き返された人形を見て、志保も少し怒りの表情を浮かべているように見えます。
 少なくとも、我が意を得たりという顔ではない。
 春香が可奈を心配しているのはちゃんと理解しているんです。だからこそ、それを踏みにじるような可奈の行動に苛立ちを覚えたのでしょう。
・だというのに、それでも煮え切らない春香に志保はさらに業を煮やします。
 ここまでされてもまだ可奈の気持ちにこだわる春香は、志保にとって愚かで甘いだけにしか見えないでしょう。
 「話にならないです。何であなたがリーダーなんですか…!」
 今の春香には、どんな罵詈雑言より最も深く心に刺さる言葉を突き立てられてしまいました。
・と、ここで春香と志保に割って入る伊織。
 志保の言葉が意見の具申からただの罵倒に変わってしまったことに真っ先に気づいています。
 言っていいこと、悪いことの区別はしっかりつく、必要だと思えば誰より先に止めにも入る。
 「志保。焦るのは分かるけど、それは言って欲しくない言葉だわ」
 後述しますが、伊織はもう気づいてるんですよね。志保の不安に。
・「そして春香も」と伊織が振った時点で春香は頷いています。
 春香は春香で重々承知しているんです。自分がリーダーの責務を果たせていないことに。
 「そろそろリーダーとしてみんなのまとめる覚悟を決めて」
 という手厳しい言葉。
・伊織個人の性格というだけでなく、これは竜宮小町のリーダーを務めているからこそ言える台詞。
 「アンタがリーダーなんだから、しっかり決めなさい」というのは一見厳しく突き放しているようで、結局は春香の意見を尊重し時間を与えているわけで、伊織の優しさが五臓六腑に染み渡る。
・春香を見る美希の真剣な眼差しと、千早の辛そうな表情にも注目。
・伊織にも言われた通り、次のアリーナライブは単なる大舞台というだけでなく、プロデューサーがハリウッドに行く前に見る最後のライブであり、そのプロデューサーにリーダーを任された本当の『特別なライブ』である。 
 それが春香にとってどれほどの重圧か…傍目にも辛いです。

ライバル
・「さあさあ、仕事組は準備しましょう」となかなか動けないみんなを促すお姉さん役のあずささんは、こういうときにこそ存在感を発揮する。
・美希がまだレッスン着のままということは、次に仕事がないのだろうか。意外…。
・春香は「美希だったらどうする?」と尋ねます。これは珍しい春香の弱気な台詞。
 いつでもズバッとお見通しだぜと言わんばかりに正解を叩き出す美希に頼っているのです。
 だから「ミキは春香じゃないから分からないの」とつれなくあしらわれて、春香はちょっとおどけて誤魔化しています。
・しかし、実は美希はここでちゃんと正解を言ってます。美希は「春香が春香として出した答えが正解」だと思っているので、当然「春香じゃない自分には分からない」と答えているのです。相変わらずシンプルかつ完全解答。
・それよりも美希にとっては気がかりなことがあった。
 それは春香がリーダーに選ばれたこと。それが何よりも悔しかったという美希。
 美希にとってはハリウッド行きを褒めてもらえることより、ハニーにリーダーに選ばれたかった。
 ハリウッドに行く前の最後のライブ。プロデューサーにとっての特別なライブのリーダーに、しかし美希は選ばれなかった。
 美希がずっと沈んでいたのは、それが原因である。なんといじましい。
 でもそれは、春香がリーダーであることに対する不満ではない。美希にとっても、やっぱり春香の方がリーダーに向いていると思えるのだ。それが余計に辛さを増す。
 だから春香は、美希の…
美希が「悔しい」と本心を吐露したのは春香にだけである。
 これもまた、美希が春香のことを認めている証拠。
・「だからミキも、ミキにできることをするね」
 春香のために、みんなのために、自分にできることは何でもするという姿勢を見せることで、美希は美希なりに春香を励ましているのだろう。
・流石にプロデューサーも今回の事態で少し弱気になってしまいましたが、今さらハリウッド行きを延ばすのは許されないこと。
 プロデューサーを信じ、自分たちの力で頑張ろうとしているみんなを裏切る行為である。
・律子のしゃがみ小パンが振って有利すぎて困る。
 「でも、みんなと踊れるように気を遣ってくれたのは、嬉しかったですよ」
 プロデューサーの判断は間違ってないと励ますような、律子の笑顔。これは結婚したい。

リーダーらしく、私らしく
・可奈からのメールを見ても、突き返された人形を見ても、やっぱりアイドルを諦めたなんて信じられない春香。
 春香は可奈の情熱を直接間近で見て知ってしまっている。自分の気持ちと重ね合うのも無理は無い。
 でも悠長に戻ってくるのを待つ時間はない。
 ダンスにしてもミリオン組に全力を出させてあげたい。
 でもそれだとダンスが揃わない可能性があるし、あとで可奈が戻ってきた時フォローできない。
 春香にとってはみんなの意見が大事で、どうしても決断することができない。
 「どうすればいいのかな…」
 「志保ちゃんの言うとおり、どうして私なんかがリーダーなんだろう…」
 と限界まで追い詰められたような表情から一転、
 「こんなことじゃダメだよね、もっとリーダーとしてみんなの意見をまとめないと」
 と、無理な笑顔。
 ああ、また悪い癖が出たな、と思いました。
 みんなの意見なんて出尽くしてる。このままじゃまとまらないのは分かりきっているのに。
 そんな春香をとつとつと諭す千早。本当に隣に千早がいてくれてよかったよ(´;ω;`)
・「春香らしい答えなら…ってこと。それが春香の中で一番確かなら、それでいいんじゃないかしら」
 必要なのは理想像のような『765プロをまとめるリーダー』としてではなく、『天海春香』がリーダーとしてどうしたいのか、ということ。
 リーダーに選ばれたのは『天海春香』なのだから。
・「私の気持ちで…ってこと?でも、それがもし間違ってたら…」
 「私もみんなも、まだ『春香』の答えを聞いてない。それは今は、考えなくていいんじゃないかしら」
・23話でもし千早が側に居てくれれば、ああなる前にこのように止まることが出来たかもしれません。
 春香は精神が特段に強い訳じゃない。むしろ普通すぎるほどに普通なのだ。
・劇場版でも鏡を使った演出は多いですが、特にここのガラスに映る会話は屈指の出来映え。
・志保の考えは昔の千早に似ているところもある。千早にもきっと思うところはあるだろう。
 20話以前では千早の横顔を見る春香が多かったが、それ以降じっと春香を見つめる千早の構図になっていることが多い。
・ここで千早が母親の話をしたのも、遠回しな元気づけかもしれない。
 春香のおかげで変わることができた自分がいることを思い出させるために。
 春香は、千早が前に向かって進んでいるから変われたんだと答えた。
 本人は気づいてないですが、この答えがとても重要なんですね。

六者六様
・雪歩の家!!完全にお屋敷じゃないですかこれ!かなり危ない類の!
 みんなでお茶しているのは、雪歩の部屋だよね…。TV版よりかなり詳細の描写が綺麗になってるのと雰囲気が違って分かりにくいが。
雪歩のめっちゃ綺麗な正座を是非ご堪能いただきたい。
・自分たちのせいで迷惑を…と悩むダンスできない組に雪歩は、
 「私は、もっと頼って欲しいよ。私じゃ頼りなくてダメダメかもだけど…」
 と身を乗り出す。
 みんながいるから頑張れた、誰かのために強くなろうと思えたこと。そして、
 「自分がどうしたいのかを、考えて欲しいな…」
・ぐっと手を握る杏奈の表情がよい。
・成長した雪歩の姿に涙。でも正直、ここでやるなら合宿初日の夕食での雪歩のくだりはいらなかったかも…。
・もう一人の豪邸持ち、水瀬家にはダンスできる組が集まっていました。何だこのセレブ空間。
 みんなの格好とか座り方とか個性あってかなり好きなシーン。
・大事なのは自分がどうしたいのか。単純なことなのだが、その難しさをみんなよく知っている。
・奈緒や美奈子は「全力」を出したいと言った。
 それに対して響や亜美は、「春香は全力を出すなと言っているわけじゃない」「はるるん自身が全力なお方」と言っている。
 後述するが、これはミリオン組の考える「全力」と春香の考える「全力」が違うことを意味する。
・これだけ広い空間なのに、恐縮している奈緒や美奈子よりさらに縮こまって座っている志保。
 「ねえ、何でそんなに不安そうなの?」と尋ねる美希。
 そう、志保は傲岸不遜などではなく、ずっと不安で焦っている。レッスンにこだわるのも、そうしていないと不安に押し潰されそうな心の現れ。
 だから物言いも態度もより一層キツくなる。
・伊織が特に志保を気にかけるのも、その辺に理由があるのかもしれない。
 志保はあれで実はまだ14歳だ。大人にもなりきれず、子供っぽいくだらない意地に囚われる。
 そのくせ自分に自信がなくて、必死にレッスンして、虚勢を張って誰彼構わず噛み付いてしまう。
 そんな志保を、15歳の伊織は1年前の自分のように見ているのだろうか。
・しどけなく座る美希はのんきに「大丈夫なの」と言う。
 「確かに春香の考えはプロとしては甘々だって思うな。でも…だから春香は」
 自分にできない考えを貫き通し、ハニーに認められる春香は。
 「美希のライバルなのかも」
・伊織に続いて美希もちゃんとライバルとして意識していることを表明する。志保はどう思っただろうか…。

可奈との電話
・「ちょっとくらいなら、うぬぼれてもいいよね…」
 可奈の憧れである自分になら電話をくれることか。
 あるいは、憧れであるアイドルを諦められるはずがないという自信に対してか。
・電話を待つ春香の姿に、20話の千早が被る。限界までの尺伸ばしも狙っている。
・果たして、その願いは通じた。しかし電話口の可奈はやはりアイドルを諦めたという。
 「諦められるのかな…アイドル」
 春香にはそれを信じることができない。写真の中の、アイドルを夢見てあれだけの笑顔を浮かべる少女がそう簡単にアイドルを諦めるなんて、春香には到底納得できるはずもなかった。
・「どうして…!?どうして私なんかに構ってくれるんですか。天海先輩はもうトップアイドルなのに。私は天海先輩とは違うのに…」
 「そんなことない、同じだよ。私だってトップアイドルに憧れて…ううん、今だって、ずっと憧れてる」
 「違うんです!…私は、天海先輩みたいに強くない。キラキラしてない。春香ちゃんみたいに…なれない…」
・憧れとは「春香ちゃんになりたい」という想いこそが核。「春香ちゃんみたいにはなれない」という言葉は、ダンスができないとか、歌が下手だとかそういうレベルではなく、もっと根本的な絶望を可奈が抱いているということ。
 だからこそ、衝撃を受けた春香はそれ以上言葉を告げることができなかった。
・窓に映る春香の顔。そのちょうど目の辺りから水滴が流れ落ちる。まるで涙のように。
 …果たしてその涙は誰のものか。
・これは辛い、辛いなあ。
 TV版を見てきたPになら、春香の気持ちは分かる。春香だって何もないところからスタートして、努力してここまで来たのだ。可奈だって同じだ。
 だがそれは、その努力を知らない可奈には届かない。
 超人だと思ってる人が苦労したなんて言っても、自分の感じている苦労とは別物だとしか思うことができない。
 春香に対する憧れが強すぎるが故に、春香の頑張れというエールは拒絶されてしまう。
 春香にとってこれほどアンビバレンツの辛さを味わうことはないだろう。
・このシーン、春香の机にあるのはMUSIC♪のCD、そして可奈のCDラックの一番上に放り出されているCDもMUSIC♪なんです。この意味するところは、勿論…ああもうね、ホントこういうの泣くの耐えられない。
・それに加えてrelationsのBGMアレンジは反則ですよ…。

・じっと雨空を見上げる765プロ。
 不安、焦り、そういったものに耐えながら、春香を信じて待つ。
・今を、大切に。
 最後の最後で春香に決心させたのは、プロデューサーのくれたあの温もり。

自分のしたいこと
・可奈を迎えに行く。
 翌日、全員を集めた春香はハッキリとそう言いました。
 声を震わせてアイドルを諦めたいだなんて、どうしても信じられない。だから確かめに行く、と。
 「やっぱり、そこなんですか…そう思えなかったってことが、そんなに大事なんですか!?」
 「うん」
 「全員の練習より何より、1人の『かもしれない』を確かめることが、そんなに大事なんですか!?」
 「うん」
 迷いを捨てた春香はもう揺らがない。
 「行きましょう。…それがリーダーの、アンタの思いなら」
 それを見て、伊織も、みんなも動く。
・このやりとり、23話で練習練習と言っていた春香とのいい対比になってますね。
 練習はもちろん大切だけど、本当に重要なのは練習をすること自体ではない。
・雨の中駆け出すみんな。スピード感に反してのスロー演出が面白い。
 こんなときでも楽しげな亜美真美の笑顔が癒やしですね。楽しさは2倍に、辛いことは半分に。
・雨は続いていますが、BGMは非常に明るく軽やか。取りも直さず、これは事態が快方に向かっていることを示しています。
 これはリーダーとしての春香と、駆け出しアイドルとしての可奈の心の問題。春香が思いを固めた時点で、すでに事態は半分解決しているのです。
・あれほどうるさかった雨音のSEも、次の可奈のシーンあたりまで消えます。
・可奈は雨の中、土手で1人歌っていました。
 曲目はアカペラに定評のある『自分REST@RT』
・可能性信じて挑まなきゃ そう何も始まらない
 一度や二度の失敗
 軽く流して RESTART
・可奈も本当は先へ進みたいのがよく分かる選曲。
 だけど、歌うことができない。
 ポケットからキャンディを取り出しても、見つめるだけ。
・ここで甘いものがポケットから出てくるのは、TV版でのキャラメルへの対比。
 ドーナツやらキャラメルやら、TV版ではとかくポジティブなキーアイテムとして使われた『甘いもの』も、度が過ぎれば凶器になる。
 この辺の皮肉さというか、アニマススタッフの意地の悪さは果てしない(;´∀`)
・春香に見つけられ、可奈は傘を放り捨てて逃げ出します。
 そこであのトラウマBGMががががが:(;゙゚'ω゚'):
 もうね、車にでも轢かれるんじゃないか、思い余って川にでも飛び込むんじゃないかと思いましたよ。
 逃げたと思ったら即捕まえるし、大仰さの割にはやや盛り上がりに欠ける印象も。
・「アイドルって、そう簡単に諦められるものじゃないから」
 「そういうものだって、思いたいから…」
 アイドルになりたいという願いだけで純粋にアイドルを目指していた春香にとっては、アイドルへの憧れは誰よりも強い。
 自分の気持と重ねちゃいけないことは分かっているが、きっと可奈も同じだと信じたいから。
 可奈が絶望的な気持ちになっていると分かっていてなお、心の底にある憧れだけは捨てられないと信じてたいから。
・可奈がアイドルを諦めたと言った原因について、太ってしまったこと自体は主原因ではなく、あくまでトドメに過ぎなかったと考えます。
 憧れの人に直接励ましてもらい、ついでにサインまでもらって応援してもらったのに、いつまでも上手く踊れない自分。
 ダンスが下手なせいで、ミリオン組のみんなにまで迷惑をかけている自分。
 ある日ふと気がつけば、衣装も入らないほどに太り醜く(あくまで可奈主観)なってしまっていた。
 もうこんなの情けなさで自分に絶望するよね。上手くできないだけならまだしも、自分でさらに状況を悪化させたんだから。こんな状態でどんな顔して春香に、みんなに会えばいいのか。
 だから可奈は逃げてしまった。
 サインを貰った人形を捨てたのも、アイドルが嫌になったからではなく、それを持つ資格が自分にないと思ったから。
・しかしながら、可奈がレッスンに来なくなってから実は可奈がお菓子を口にしたシーンはありません。
 可奈の部屋には大量のお菓子がおいてあるにも関わらずです。
 土手で歌ってたときにお守りのように持っていたキャンディもそのまましまっています。
 これは可奈が摂食障害に陥っている可能性を示唆しているのではないでしょうか。
 女性にとって食の問題は、男性が考えるより遥かにデリケートで重要である場合が多いです。
・個人的な疑問としては、そんなに太る前に自分で気づけなかったのか、ということ。
 男性と違って女性は自分の容姿に敏感です。男だって1日1回程度は鏡を見ますが、ましてやアイドルを目指す少女が鏡で自分の姿を気にしないとは考えにくい。
 春香の電話に出た可奈も、髪型がぼっさぼさです。
 だからこそ、可奈が鏡を見る暇もないくらい必死に自主練習をしていたことが伺えるのではないかなあ、と…これはあくまでただの想像ですけどね。
・可奈はレッスンが嫌で逃げ出したのではなく、必死にレッスンをした結果がこうなってしまった。
 1人で頑張ったことが、逆に可奈を追い詰めてしまった。
 志保はここで自分の言葉が可奈を縛っていたことを悟りました。
・可奈は今度こそこんな情けない自分に呆れられた、見捨ててくれたと思ったことでしょう。
 しかし春香は。
 「じゃあ、大丈夫だよ。一緒にステージに立とう」
 と何のてらいもなく力強く言ってくれるのです。
 春香にとっては、可奈のアイドルを諦めたくないというその答えだけが重要で、全てだから。
 諦めなければ、きっと大丈夫だと信じているから。
 みんなに迷惑がかかるから、といって拒否しようとする可奈の手を迷わず握れる。
 「そうじゃなくて、自分がどうしたいか…それだけでいいんだよ」
 反射的に可奈の瞳から一筋流れた涙が、この言葉が可奈にとってどれほどの救いになったのかよく分かります。

答えを確かめに
・設営中のアリーナに到着し、その広さに息を呑む全員。
 数々のステージを経験した765プロにとっても、初めてとなるほどの大舞台。
 しかし765プロの顔は輝いています。
 ここにお客さんが入ったらどうなるか――その圧倒的な光景を想像し、思わず竦んでしまうミリオン組。
 18話を思わせる演出。志保も体の震えを止めるように自分の腕を強く握ります。
・ステージの広さに飲み込まれ、意を決するのが難しい可奈の様子を感じ取って、真剣な表情で前を見ていた春香が前に出ます。
 今できているステージの一番先端。立つべき位置としてバミられた場所へ。
・「後ろの人も、ちゃーんと見えてるからねーっ!」
 会場全体に響く、春香の声。
 これほど広いステージであっても、物怖じしない。
・会場の奥まで声を届けたいというのは、春香にとって重要な願いであることは13話で語られました。
 25話でも実際に言ってますし、おそらく春香の決め台詞的な存在になっていると思われます。
 春香に憧れている可奈にとって、これほど勇気づけられる言葉もないはず。
・天井のモニターにみんながグループずつ全員が映って、最後にAMCGマークがアップになる演出が好き。
・みんながいて、たくさんの人に支えられきたから、今アイドルしての自分がいる。
 誰か1人でも欠けたら、今アイドルとしてここに立つことはできなかった。
 一人一人の名前を呼びながら、春香はそう語ります。
 春香にとって『みんな』とはそれくらい大切なもの。
 それは、知り合ったばかりのミリオン組だって、みんなと同じ。
 だから、誰か1人でも欠けてしまったら次に進めない。
 「もしかしたら、もっと上手いやり方があるのかもしれないけど…」
 「私は、『天海春香』だから」
 「私はみんなと一緒に駆け抜けたい。今の…全部で!このライブを成功させたいの!」
・「…私も、行きたいです…!」
 「アイドル、諦めたくない!」
 「一緒に、ステージに立ちたい!!」
 可奈の絶叫。
・可奈は「私は」ではなく、「天海先輩と」でもなく、「みんなと」一緒にステージに立ちたいと言った。
 前者2つとは近いようでまったく意味が違う。
 ミニライブの直後では、「みんなと」ではなく「私は」に訂正している。
 可奈のみんなを思う気持ちは実はとても強い。だからこそ、みんなのために1人で頑張ろうとしてしまった。かつての春香のように。
 迷惑をかけた、これからも迷惑を間違いなくかけるであろうみんなと、それでもステージに立ちたい。
 あまりにも純粋で強い、可奈のアイドルへの想いなのだ。
・その声に呼応するように、最初に動いたのは星梨花。
 11話におけるやよいポジションではありますが、今まで積極的に動くことがなかった星梨花が、誰より先に動いたんです。
 自分も諦めずに頑張ると。
・杏奈も、百合子も、それに続きます。奈緒も、美奈子も、自分たちが何をしなければいけなかったかに気づきます。
 そして志保は。
 言葉を失った志保を、優しく促すのは伊織。
 「春香も可奈も、自分が何をしたいか言っただけだもの。言いたいことがあったら言うべきよ。そのために春香は、あそこで待ってるんだから」
 「あるはず…ないです。このステージは私が思っていたよりずっと、重たかったから」
 アリーナライブという大きさ、そのリーダーを任されるという重圧、そんな状況でも甘い理想を追おうとする覚悟。春香の抱えていたものの重さを悟り、志保は何も言いませんでした。
 ある意味単純に謝らせるより何倍も、何十倍も重い敗北宣言のようなもの。
・春香の「全力」。それは「今の全部で、アリーナを成功させること」。
 誰かを犠牲にしてクオリティだけを上げたステージは春香にとって「全力」ではない。例えダンスのレベルを落としたとしても、「みんな」で成功させてきたから、今がある。未来がある。
 それが春香にとっての答え。
・ミリオン組が本当の意味で打ち解け合う姿を見て、これから先の決意を新たにする765プロ。
 その目に浮かぶ涙は、感動のシーンを見てもらい泣き…というだけではないはずです。
 決然とした表情や、「絶対に成功させる」「失敗なんてあるはずがない」とあえて口に出すのは、おそらく恐怖の現れ。そしてその先に待つ別れを思い出してのことかもしれない。
 全てを吐き出しきった春香も、恐怖と安堵で肩を震わせて泣いていました。
 春香は心が強いわけじゃない。どこまでも普通の女の子でしかないのだ。
・ここでさっきの春香のシーンを思い返そう。
 きらきらと輝く笑顔を見せながら語っていたあの間、春香は安堵のあまり泣き出してしまうほどの恐怖とずっと戦っていたのだ。
 もしそれを見せてしまえば、可奈は安心して春香の伸ばした手を取れなかっただろう。
 だから春香は、全力で恐怖をしまい込んだ。微塵もそれを感じさせなかった。
 誰かを応援するために、自分の負の感情を抑えて笑顔を見せることができる――これこそが本当の、アイドルというものだろう。
・「ホント、怖がりなの…」と美希。
 そう心配しながらずっと春香を見ていたことがここで分かります。
・「馬鹿ね、間違ってたって何とかしてみせるわよ。それが…私たちでしょ」
 そう言う伊織も、泣いて。どこまで優しいんだこの子は。
 こう言ってくれる仲間がいるからこそ、春香にも恐怖と戦う勇気が生まれる。
・劇場版でMVPを挙げるとしたら間違いなく伊織を選ぶ。
・最後に765プロのみんなが泣くシーンは、未だに自分の中で理解しきれないところがあります。
 初見の時は本当に驚きました。「よかったよかった」なんて表情をしているのは誰もいないから。
 あの涙と表情には、あまりに多くの感情が込められている気がするのです。
・ここの「私たちはずっと…でしょう?」のBGMアレンジ。これが本当にもう…最高なんです。
・それと、木戸衣吹さんの演技にも引き込まれました。中村先生の、まさに鬼気迫るという表現が相応しいほどの演技が、きっと引き出してくれたのだと思います。

輝きの向こう側へ
・アリーナの前で謝罪する志保。
 まだあなたのような考え方は出来ないけど、という志保に、考え方は人それぞれだよ、と返す春香。
 あの答えはあくまで『天海春香』の答え。絶対の正解などではない。
 それを聞いてようやく志保は、落ち着いた笑顔を見せてくれるのでした。
・志保はここで「口が過ぎた」ことに対してしか謝っていません。やはり自分が間違ったとは思ってないんですね。もちろん志保の考えも間違いではない。
 十分な完成度を得るために不要なものを切り捨てて進むことは、現実にはよくあることです。
 だけど志保は、自分の考えを十分理解してもらおうとはせず、結論だけを叩きつけるきらいがあります。それが度々ミリオン組に対しても不和を生んでいたことは何度も描かれました。
 自分の考えなんか分かってもらえるはずがないと思っているのでしょうかね。
 しかし春香は、ある意味で志保の考え方を真っ向から否定して可奈を救って見せたあの『天海春香』は、志保の考え方を認めてくれるのです。
 だから志保は一瞬驚いた顔をした。そして本心からの笑顔になることができたのです。
・ひょっとしたら、アリーナではカバーしきれなかった志保の心を、この一瞬で春香は救ってしまったかもしれない。天然ジゴロですね。
・落ちる夕日はサイリウムの光、輝くスポットライトは天空の光。
 千早「光の先には何が待っているのかしら」
 春香「素敵なところだといいな」
 プロデューサー「大丈夫さ。みんななら、きっと…」
 山に沈む陽の光が意味するところは明日、未来の象徴。
 輝きの向こう側へと続く未来へ。
・季節も巡り、秋。千早は春香と一緒に手紙を投函しに行きます。
 手紙を出そうと決意したのはもっと前のはずですが、あまりに長く分かたれた葛藤が、筆を遅らせていたのでしょうね。
 投函に春香も付き合ってもらうあたり、まだ千早としても勇気がなかなか出ない。
 そんなもんですよね。一歩ずつです。
 手紙の投函という行為もこれまた20話を思い出させますね。
・このシーン一瞬千早が春香の声で喋りだしたように見えて混乱した人は多いはずw
・ミリオン組も必死にレッスンして遅れを取り戻しているようです。
 ランニングでは運動の得意な奈緒、美奈子を先頭と最後尾に置いてペース配分。ちゃんとみんなを見てる奈緒の構図。
・前に春香は、千早が前に進んでいるから変わっている、そう言いました。
 季節が変わるように、みんな未来へ進んでいく。だから、私もみんなと一緒に変わっていきたい。一緒に進んでいくことで見える景色を、この目で確かめたい。
 それが春香の決意。
 みんなが変わって離れていくことを恐れ、未来へ進む前に一旦足並みを揃えたのがTV版の結論なら、劇場で得た春香の答えはそれに対する明確な反論になっている気がしました。
 みんなと一緒に変わっていきたい、そう願えるようになった春香もまた、一つ成長したと言えるでしょう。

アリーナライブ当日
・ミリオン組の衣装が思ったよりずっと露出度高くてドキドキしましたw
・律子へ贈られるコサージュ。例えステージに立たなくても、いつだって律子は一緒にいる。
 キングと若の好演。始まる前から泣かせないで欲しいのはこっちです(ノД`)
・「765プロ、ファイト〜!」
 「「「目指せ、トップアイドル!!」」」
 今度はみんなで完全一致。
・手を握り合う可奈と杏奈が、完全に13話のゆきやよの構図です。
 それを律子がフォローしているのが微笑ましい。
・開幕前の一瞬。
 横一列に並んだアイドルたちが手を繋いで開演の時を待ちます。
 実際の開幕ではちゃんとポーズを取っているので、ここで手を繋ぐのはステージ演出ではない。ただ純粋に、765プロのみんなと絆を繋ぐ行為。
 個人的にライブステージそのものより、この光景にこそ一番感動しました。
 『プロデューサーとして』見ることが出来るアイドルたちの至高の艶姿は、この瞬間だと思うから。
 この構図が描けるのはアイマスならでは。
 現実ではなんのかんのと言っても観客側に立つしかないですからねw
 この姿を描いて見せてくれた錦織監督の思いには本当に感謝しています。
 ステージの幕が上がり、光りに包まれて…そのまま昇天してもいいと思えるほどに。
・M@STERPIECE。
 傑作、名作、代表作の名の通り、迫力の大ステージ。
 ダンスを主体に見せるTVアニメとはまるで違い、劇場の大スクリーンを前提にした『アリーナの広さ』を主題にした映像作りがされています。
 また、1曲分まるごと通しで映像を作るのがテーマでもあったようですね。
 TV版と決定的に違うのはマイクを持っていること。
 花道に並ぶとき交互に前後を向く隊形や、最後に手を繋いで舞台に戻る演出、7thライブに参加した人間には涙無しには見られない光景。
 映画を見ている人でも、実際のライブに参加したことのある人ばかりではないでしょう。そういう人にライブとはどういうものか伝えようとする意思も感じられました。
 そのため引きの構図が多くなり、クオリティ維持のためにCGを使ったのは仕方ないのかなと。
 あと、謎の超高速移動カメラで酔いかけましたw
 あそこで一瞬美希がとったポーズ、速すぎて何度見ても確証が持てないけどおにぎり波だよね?
・小鳥さん貫禄のバルログ。
・そして最後の春香の表情で涙…。

エンディング
・プロデューサー、春香が声をかける前にコケてないか?w
「プロデューサーさん、離れていても765プロの心は一つ!そうですよね?」
 「当たり前だろ!俺は、お前たちのプロデューサーなんだから!」

 また言ってくれた。ホントに嬉しい(´;ω;`)
・ED曲は虹色ミラクル。ピアノイントロが好みすぎてヤバい。マスピより好きかも。
 劇場版は揃いも揃っていい新曲に恵まれてます。歌詞の意味を噛み締めながら聴き込みたい。
・伊織と志保の背合わせポーズでまた涙腺が緩む。
・765プロ、木星、876の大ポスターが貼られているイラスト、新宿駅の東西自由通路かな?
・結局、千種さんがライブを見に来たという描写はありませんでした。
 スタッフがあえて描かなかったのは明白で、来たか来なかったかは想像に任せるといったところでしょうか…って、BDでちゃっかり追加されてたりしたらスタッフ恨むぞw
 とにかく、自分は千種さんは来たと思います。そもそも関係がこじれたのは、千種さんが千早を拒否したのではなく、千早が拒否したことが発端だったのですから。
 20話でもある通り、千早のことはずっと気にかけているので、きっと来てくれたはずです。
 加えて、EDで千早が手紙を書いているのもやはり千種さん宛でしょう。他のみんなならメールや電話ができますから。
 電話ではまだ上手く話せない、メールでは伝えきれないほどの思いがある。時間をかけて刻む手紙は、今の千早親子にとってはちょうどいい距離感なのでしょうね。
 千早が持っている栞は写真のお返しに千種さんが送ったものでしょうか?手紙を書く時に栞は必要ないので、おそらくはそうでしょう。
 封筒に入れられる大きさで、邪魔にならず、実用的なもの。千種さんの気遣いが感じられる贈り物です。
 そして栞のメタファが持つ意味とは。中断、記憶、そして――『再開』。
・EDイラストで出てきた追加ミリオンキャラはエミリー、琴葉、風花、まつり。
 この調子で全員ちょっとずつ描くのかなー…っと思った瞬間のしぶりんんんんん!!!??
 初見は本気で驚いて声上げちゃいました。デレマスは絶対に影さえも見えないと思っていたのでw
 スタッフロールには協力会社にDeNAの名前なかったんですよ?キャラクター版権はバンナムが持っているとは言え、本来なら無理に出す必要はなかったはず。
 それでも出してくれたのは、シンデレラガールズのことも忘れてないよというバンナムの意向か、それとも錦織監督の善意でしょうか。何にせよ、フォローしてもらえて本当に嬉しかったです。
・最後はプロデューサーが戻ってくるイラストで終わり。
 その直前、ホワイトボードに比較的大きく「プロデューサーが帰ってくるまであと0日」が書いてあります。
 帰国の連絡をもらってから、一日千秋の思いだったことでしょうね。
・個人的には帰ってくるシーンまではいらなかったかな…という思いもあり。
 あれだと速攻帰ってきたように見えますしねw
 服装や風景が秋っぽいので1年後くらいでしょうか。ゲーム版では確か2年後だったはず。
 どちらにしても、アイドルに身体的な成長がないからすぐ戻ってきた感じに拍車をかけている。
 どうせなら劇場版オンリー設定で成長させても…いやいやそれだと『完結』のイメージが強くなりすぎて難しいか。
 まああまり深く考えずに、765プロの事務所前で「おかえり!」という構図を最後に持ってきたかったと考えるのがいいでしょうね。
 みんなの「ただいま!」に始まり「おかえり!」で終わる。765プロはいつでも帰ってこれる場所。


全体を通して
ああ、アイマスだなあ、というのが一番に来る感想。
ストーリー構成自体は実にアニメ版アイマスといった感じで、これがアイマスの全てではないのですけれども、どうしようもなくアイマス。
作り手の愛が極限まで感じられる。これがアイマスという存在。
アイマスPであるというのは実に厄介で、例えばOPで歌マスが流れるじゃないですか、もうそれだけで目頭が熱くなっちゃう。歌マスへの思い入れだけで飲み屋で小一時間は語れます。
だからもう普通の人とは評価の次元が違う。
確かにあまりよくない部分もある、BDでは作画を直して欲しい部分もある、そういうのが-30点くらい減点されるとしたら、いい部分を数えて加点すると10万点くらいプラスされるので、もうマイナスなんか無いも同然なのです。
(作画は重要なシーンさえキッチリしていれば問題ないと思ってるので、箱にしか見えない春香の携帯電話以外の直しは必要ないと思いますが)
なのでこの記事ではほぼ絶賛しか書いてないですが、こうなることは最初から分かってましたw
ただ、アイマス歴が浅くそこまでの思い入れがなかったり、ひょっとして初めて見るという人も、できれば「ここが悪かった」より「ここが良かった」を記憶する方向に脳の容量を割いて欲しいのが私の願いです。

劇場版アニマスの一番凄いところは、「物語としての事件が何も起きないこと」でしょう。
事故、病気、転居のような定番のトラブルが一切存在しない。それなのに2時間の人間ドラマを完璧に描き切っている。これは実にとんでもないことなのだ。
全ては彼女たちの思いによって紡がれたストーリーであり、それ故に素朴で暖かみのある現実性を醸し出しているように思います。

2回目、3回目は1回目より情報がスッキリ頭の中を通ってさらに泣けるので、みんな最低2回は見て欲しいですね。
たった1回の視聴でアイマス劇場版を理解するのは無理だと思います。
ちなみに私は2/3現在7回見ました。二桁行ってないなんて少な過ぎですねハイ。
TV版の時だって生視聴、寝る前にもう1回、朝起きたらもう1回・・・みたいな感じで最低10回は見ていたので、2時間の劇場版がそれ以下で満足できるはずもなく。
週替り特典商法なんかしなくても見に行くのになあ・・・w

錦織監督を始め、アイマス劇場版に携わった全てのスタッフ、キャストに最大限の賛辞と感謝を。
劇場の大スクリーンで動き歌うアイドルたちを、大勢の仲間と一緒に見て、泣いて、笑える経験ができたことが何より幸せです。
それでは。