切子とは、ガラスの成形技法の一種である。
西洋ではカッティンググラスと呼ばれ、冷めて固まった透明なガラス、または色ガラスを被せた生地に切り込みを入れて模様を施すものだ。
日本では薩摩切子・江戸切子などの種類があるが、薩摩切子の手法は明治初頭の動乱の中潰えることとなる。
薩摩切子の研鑽は大阪・江戸へと伝播し、そして今日に至るのである。


ネタバレ防止のために本文は続きに格納します。
第18話「A little bit of courage shows your way.」
好調な滑り出しを見せるとときら学園。
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構図はなかなかアレだが、確かに「何歳であろうともこの番組に出るからには園児」という設定はバラエティ番組としてはよく出来ている。
莉嘉よりずっと年上の彼女らもこうして園児服で頑張っているのを見ると、莉嘉の至った結論が間違っていないことを改めて印象付けられる。
今回はCI含めバラエティ班であったが(酷)、セクシー系や大人系アイドルのみなさんの園児姿も見てみたいものだ。

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莉嘉「年齢いっぱい誤魔化してるもんね〜☆」
菜々さん「おいちょっとカメラ止めろ」

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しかしそんな中、小学生組レベルで園児服が似合うアイドルが一人。双葉杏である。
スモックの似合いっぷりをあやめに指摘されて笑いを取りに行ったり、緊張して上手くトークができない智絵里・かな子をフォローしたりと大忙しだ。
特に杏ときらりの組み合わせはプロモーターの目にも止まった。
同い年でありながらまるで親子のような身長差。ゲーム内でも最初期からこの組み合わせに注目する動きがあった通り、確かに誰もの興味を引くスペックだ。
ちなみにゲーム内では最初あんきらという組み合わせは存在しなかった。杏にもきらりにも互いに言及する台詞がない。
完全にファン発信のユニットであり、解釈と妄想を公式が調味して今のあんきらに至る。それだけにあんきらのファンは多い。
偶然か必然か、同じ17歳という特徴がなければここまで注目されなかったかもしれないと考えると、感慨深いものがある。


あんきら、始動
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346プロの受付で、モニターに映し出されるのは速水奏。Coが誇る妖艶なキス魔アイドルである。
常務の考えに賛同するかどうかは別にして、常務の求めるイメージには沿うだろう。カードのイラストも文字通り神撃のバハムート別世界ファンタジーっぽいの多いし。
『NEXT LEGEND』『Coming in Autumn Fes』の文字が気になる所。もしかして常務はシンデレラの舞踏会にオータムフェスぶつける気なんじゃ・・・。

とときら学園の話に花を咲かせるNGsとCI。
多分常務はぐぬぬ顔しないと思うが・・・むしろキレてやっぱりお取り潰しとか言い出さないか不安だよw
しかし智絵里とかな子は暗い顔。どうにも緊張で上手く話せないことを悩んでいるようだ。
卯月はツッコミが可愛かったとフォローするが、それも全て杏の活躍あってこそ。CIは確かにユニットとして頑張ってはいるが、まだまだ杏が中心になって回しているのが現状である。
そのことを凛に褒められても杏は照れもせず「向こう何年か分働いてるだけ」とそっけないが、それがいかにも杏らしい反応であることはNGの苦笑で伺える。

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さて、そこに巨大な朗報が飛び込んできた。
あんきらンキングというとときら学園の新コーナーが決まったのだ。
きっかけは杏ときらりの身長差ゆえだが、プロデューサーはそのことをオブラートに包んで「コンビ感」と表現した。
この部分、プロモーターのあけすけな物言いにも少しむっと顔をしかめているのがアバンで示されている。たとえ悪意はなくても、その人が言われれば傷つく言葉があることをプロデューサーはちゃんと理解し、使わないようにしているのだ。
杏は乗り気ではないようだが、とりあえず数回と諭されてやる羽目に。
そして智絵里・かな子にも番組VTRでインタビューを行う仕事が入った。
杏抜きでの仕事に不安を覚えるのは2人だけでなく杏もだが、プロデューサーは「今の2人に必要な仕事だと思う」とこれを強く勧めた。
プロデューサーにしては珍しく押しの強い発言である。
智絵里もかな子も、舞踏会に向けて成長したいと願う気持ちは強い。やる気をにじませて、2人は頷くのであった。
まだまだ成長途上の2人だが、アニメ最初のころの漠然とした様子とは明らかに違うことが分かる。

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だいぶ予定の埋まってきたスケジュール表。アケマスPとしてはNGsが受けるオーディション名で感涙。60kなのか?70kなのか?記者連れて頑張れ!
あと蘭子の「熊本物産展ゲストトーク」には草。

やる気なさげでも本番はきっちりこなす女、それが双葉杏。
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しかし控室ではこのザマである。杏は顎のラインの作画指定が緩いせいかたまにまんじゅう化するw
杏が次回のランキングテーマをお菓子や食べ物にしようと言い出したのは、もちろんインタビューする智絵里とかな子を慮ってのこと。
ふいっと目を逸らして本人は誤魔化したが、きらりは自然にその意図を察したようだ。


失敗、努力、そして・・・
ロケを前に、今日の成功を四つ葉のクローバーに占う智絵里。それだけ智絵里にとって重要な新しい一歩なのである。
プロデューサーも手伝いを申し出るが、直接手伝いますと言うのではなく「私が見つけたら意味が無いでしょうか?」と、智絵里に断らせないなかなかウィットに富んだ言い回しだ。
だが、四つ葉のクローバーは簡単に見つからないから意味があるのであって・・・。
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めそめそ智絵里可愛すぎるうううあああああああああああああああああ
そこへやってきたかな子が幸運にも4話のときのクローバークッキーを焼いてきていたため、何とか事なきを得た。
2人の笑顔にプロデューサーもほっこり。
しかしこれは、2人が4話の頃からあまり成長していないことの裏返しとも取れる。

せっかく見つけた四つ葉のクローバーであったが、その甲斐も虚しく街頭インタビューの結果は散々であった。
智絵里のピースがあまりに小さくて画面から見切れている。冒頭のとときら学園で手を振っていたときも同じだったりする。
幸い、初々しさを買われてVTRとしては使ってもらえることになった。かな子はそれで安堵してしまうが、お世辞にも成功とは言いがたい結果に智絵里は肩を落とす。
それを見て、かな子は何かを決意したようだ。

場所は変わって、リニューアルしてしまったブレインズキャッスルの控室。
とときら学園の司会を兼ねる愛梨に新番組の様子を尋ねる川島さん。
よく考えれば2つもレギュラー番組の司会を受け持つ愛梨はかなりの人気アイドルなのではなかろうか。中居正広コースか。
愛梨はみんな伸び伸びやっていると楽しそう。川島さんも言っていたが、どうやら新しいブレインズキャッスルはかなり窮屈になってしまったようだ。
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なお、川島さんの読んでいる雑誌には奏・フレデリカ・周子の姿が確認できる。ユニットかどうかは分からないが、奏と一緒にいることから常務のプロジェクトで活動していると思われる。
奏はともかく周子、フレデリカはかなりバラエティ寄りだと思うが常務の胃は大丈夫だろうか。特にフレデリカなどは女版高田純次と名高いのだが(ぇ
その他、最初のページに一瞬だけ木星が写っている。愛が細かいw

智絵里もかな子も次のインタビューに向けて話術の本を読むなど勉強に励んでいる。
特にかな子はダイエットも始めたようだ。普段走らない人がダイエットで急に走ると膝が危険だぞ!
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と、ここで久々のベテトレさん登場。前期の後半からすっかりトレーナー姉妹の声もご無沙汰である。マストレさんの出番はあると信じているが・・・。
かな子がダイエットを始めた理由が、身ではなく「気を引き締めるため」というのが何とも面白い。
そもそもアニメではかな子のぽっちゃり体型について徹底的に触れない。誰も言及しない。お菓子の食べ過ぎにはトレーナーさんが標準的に全員に注意した程度で、普段は誰もかな子を止めない。
そのことで笑いを取りに行くこともないし、「太ったからダイエット」みたいな凡庸過ぎるネタで脚本を作ることもない。その辺の徹底具合が本当に凄い。
きらりや杏のようにコンプレックスとなる体型を肯定する点でも流れが一致していると言える。
かな子というキャラクターの魅力の本質を表現するのに体型ネタを入れず、その上でダイエットという構図を取り入れるやり方が上手いのだ。

その頃、NGsの3人は奈緒加蓮とレッスンの後、智絵里とかな子のインタビューVTRを見ていた。
舞踏会に向けて各人がこなすべき試練は並大抵のものではない。
だが、凛は失敗したときのことも考えるが、未央はこれを強気にチャンスと捉えている。
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あくまでユニットを引っ張っていくのがリーダーの役目。未央もリーダーらしさが板についてきた。
そんな未央に誘われて、CDデビューもまだだが奈緒加蓮も舞踏会に参加する運びとなった。
果たしてこの2人の参加がシンデレラプロジェクトにとっての力となるか、アキレス腱となるか・・・。


きゅってする?
すっかり仕事が別になってしまったあんきらとちえかな。
杏はぼんやりと2人を心配しているようだが、決して口には出さない。
杏を迎えに来たきらりに、プロデューサーは新コーナーについて尋ねた。きらりはいつもの調子で楽すぃよぉ☆とご満悦状態。その様子から心の奥底までは読み取れない。
逆に何故そんなことを聞くのかと返されて、プロデューサーは口ごもる。
プロデューサーの見ていた雑誌には、大々的にあんきらの身長差について書き立てられていた。
そのことについて心配しているのは明らかだが、口を出すことでかえって意識させてしまい、結果として藪蛇になってしまわないか不安なようだ。
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どうにも袋小路に入ってしまったプロデューサーを見て、きらりははぴはぴキャンディを渡す。
甘いお菓子は幸せの味。きらりの大丈夫、は全てを察しているかのようでした。

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あの有名アイドルを思い出すワンシーンですね。

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手を繋いで現場に向かうあんきら。きらりの真意が読めないのは杏も同じなようだ。
途中でちえかなの姿を見かけるが、杏はそっけなく立ち去る。
一方智絵里とかな子は次のインタビューの直前であった。
大分根を詰めているようで、かな子の息が上がっている。
それを心配する智絵里。ふと、その足元に四つ葉のクローバーのがあることに気づく。
探すのをやめたとき、初めて身近にある幸せが見つかる。まるで幸せの青い鳥のように、そこにクローバーはあるのでした。
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ぬあ〜太もも眩しい^^

舞台は変わって東京は葛飾柴又。寅さんの石碑でお馴染みの帝釈天参道ですね。
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ここで再登場するはKBYDの3人。KBYDはブレインズキャッスルのために急遽作ったユニット名だったが(マジアワ#9)、3人ともそのまま活動しているようだ。
KBYD散歩はシンデレラプロジェクトとは関係ない番組だが、美城常務の方針に沿ったものであるようにも見えない。戦っているのはCPだけではないということか。
15話での3人の落ち込んだ様子からここまで至るのにどんなドラマがあったのか、色々と想像は膨らむ。
しかしこの散歩ネタ、765プロの某先輩と番組被ってませんかねえ・・・。まあ現実でも一度ヒット番組ができると雨後の筍ですが。
幸子のおかげで注目が集まってしまった2人。緊張に負けまいと必死に気合を入れるかな子、かえるさんかえるさんを繰り返す智絵里。どう見ても気合が空回りしています。
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右のADさんキャベツ好きそう。

今回2人が訪れたのは、江戸切子のお店。
薄暗い店内で2人は職人にインタビューを敢行しますが、出てくる言葉は上っ面な言葉ばかり。
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決して嘘をついているわけではないのですが、失敗しないことばかり考えて意識が別の方向に向いているようです。
そのせいで職人さんには「切子に興味はないけど仕事で来ているだけのアイドル」という誤解を与えてしまいました。
誤解を解こうと慌てて立ち上がるかな子。しかし無理がたたったのか、立ちくらみを起こしてしまいます。
9話の智絵里と対称的になっているシーン。舞う埃の表現が綺麗。

一方、杏はやっぱり2人が気になっているようだが、やっぱり本当のことはきらりにも言わない。
面倒だなんて明らかな嘘をつく杏に、きらりは胸に手を当てて、
「杏ちゃん。素直になんないとダメだよぉ?じゃないと、ここがね、きゅ〜って苦しくなっちゃうよぉ?」
「・・・きらりも、きゅってなる?」
「え?」
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「杏と一緒の仕事、本当はどう思ってる?」
杏は『きゅってなる』ことを否定しなかった。その上で、そう、切り返した。
杏はこう尋ねたのだ。「きらりも自分の気持ちに嘘をついているんじゃないか」「杏と一緒にいるのが本当は嫌なんじゃないか」――と。
おそらくこれは杏にとってかなり勇気の必要いる質問だっただろう。だけどそれだけ、聡い杏でもきらりの本心が読めなくて、2人きりの場でも見えてこない本音をどうしても知りたかったのだと思う。

インタビューを一度中断し、店の裏でプロデューサーはかな子に事情を聞きます。
自分の気が緩んでいるから失敗するんだと、自分を責めるかな子。
かな子を見て、自分の努力が足りないから負担をかけてしまったと悔やむ智絵里。
そんな2人にプロデューサーは傅いて、そっと手を取り、目線を合わせて、魔法のアイテムを授けます。
それは、きらりから託されたはぴはぴキャンディ。
プロデューサーを通じてきらりの思いが2人に届けられる珠玉の演出である。
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これを食べたらまた気が緩んじゃうと拒否するかな子に、プロデューサーはこのままでは仕事はできないとキャンディを押し付けます。
智絵里にも、かえるさんのおまじないを禁止。
今回は本当に珍しく、強気なプロデューサーの一面が見られます。
あくまでアイドルと一歩離れた位置から声を掛けたり支えたり、それでも前に踏み出せない子には、もう少し強く背中を押すこともできる。そういう存在に彼はなっていたのです。
アイドルも、プロデューサーも成長しているということなのでしょう。

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大きな靴と小さな靴、大きな鞄と小さな鞄。2人の身長差は身に付けるものにも表れる。
ちょっと離れた位置に置いてあるのは、杏の配慮だろうか。
「杏が呼ばれたのは、杏ときらりが並んだら面白いからだよ」
「同い年なのにこんなに違うって」
――ああ、そうか。そうなのだ。
杏は自分の身長のことでネタにされることを否定せず、むしろ積極的に売りに使っていく。
それは9話でも、今回冒頭でも同じだ。杏はとてもクレバーだから、奇異の目で見られることも知っていて、それを自分の個性と捉えることができている。
だけどきらりはどうなのか。杏と並ぶことで一層強調されてしまうきらりの背の高さ。きらりがそのことで辛い思いをしているとしたらどうだろうか。
大きいと小さい、真逆でありながら、『普通と違う見た目』がどのように扱われるか。その辛さを本当に経験してきたのは、きらりと杏だけなのだ。
だから杏は、きらりがただの見世物にされることは絶対に許せない。自分のためではなく、きらりのために怒れるのが杏なのだ。
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「きらりはみんなよりちょっと大きいけど、可愛い服着て、可愛い杏ちゃんと、可愛いお仕事できて、と〜ってもはぴはぴ☆」
「きらりたちを見て、み〜んながはぴはぴしてくれゆから、も〜っとはぴはぴ☆」
「・・・って、思ってゆ。だから『笑顔』でいられるんだよぉ」
もちろん、きらりはそのことにとっくに気づいている。きらりは見た目や言動から受ける印象よりずっとずっと繊細な少女なのだ。
それでも。きらりは全てを肯定してみせた。
杏と一緒に可愛く過ごせることが幸せだと。
自分たちが好奇の目でみられることも、それでみんなが楽しんでくれるなら、それが幸せだと。

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「きらりん☆アタック!」(俺は死ぬ)

杏が心配していたより、きらりは強かった。
いや、これは強さだけではない。本当に心からはぴはぴなのだ。
何故なら、
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「きらりは、杏ちゃんといるきらりが大好きだよ」



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可愛い衣装が好きだから、可愛い杏が好きだから辛いことに耐えられるとかそんな理由じゃない。
きらりは、杏と一緒にいるおっきい自分を否定せず、好きでいられるから。辛いことなんて一つもない。
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杏にとってこれほど、これほど嬉しい答えはないでしょう。間違いなく。
この台詞にあんきらの真髄が詰まっているといっても過言ではない。
ファンがまず陥りがちな見た目の物珍しさから来るあんきらを否定しつつ、でも見た目の差の先に生まれる2人の関係性にこそあんきらの尊さがある。
アニメ製作陣によるあんきらの破壊と再構成。
製作陣のあんきらへの理解度はもはや完璧と言っても差し支えない。初期からあんきら推しな自分でもここまでのものを提示できる自信はありません。
「きらりは杏といるきらりが大好き」という台詞は、真にあんきらを理解していないと絶対に出てこない台詞だと思います。この言い回し使うの何回目ですかね。
それくらい、アイマスは制作に愛されたアニメだなあと感じる次第です。


緒方智絵里、三村かな子の第一歩
幸子に説教される智絵里とかな子。だが幸子の厳しい口ぶりも不器用な心配の表れである。
自分を爆上げるが他人も上げる。それが輿水幸子。
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「アイドルは前を向いてるもんです!可愛いボクのように!」
こういう大胆な構図を使いこなすアニメは意外と少ない。
幸子の檄に、ようやく2人は自分たちの間違いに気づきました。
意を決し、かな子ははぴはぴキャンディを口に入れます。
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ここの表情変化の素晴らしさもさることながら、「甘い」ではなく「ウマい」になるあたりが何というか大坪由佳である。
かな子の笑顔に、智絵里もつられて思わず笑顔になってしまいます。それが、かな子の魅力。
ずっと顰め面で頑張っていたかな子に、智絵里も少し引きずられていたようでした。
「今回の仕事は挑戦だったと思います。緊張もあったと思うのですが・・・それでも、『笑顔』を引き出して欲しかったのです」
浅草に揺れる秋の桜、コスモス。
コスモスは見た目の可愛らしさと裏腹に、痩せた土地でも少量の水と日光で生きていける実に根強い花である。花言葉は『純真』『真心』。
2人とも頑張ってはいた。でもそれは、ただがむしゃらに走ったり、周りに怯えて目をつぶっての頑張りだった。それでは笑顔になれない。
まず自分たちがお仕事を楽しまなければ、誰かに笑顔を届けることもできない。
「私も、かえるさんのおまじないで周りを見ないようにしちゃってて、見えてなかったです。お店の中も、お店の人の顔も・・・」
プロデューサーがかえるさんのおまじないを禁止したのは、そういう訳でした。
最初の最初こそは、とにかく舞台度胸をつけるために目をつぶって前に出ることも必要である。
でも、いつまでもそれでは前を向けない。
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「今度こそ、ちゃんと見たいです!」
智絵里が成長したところをハッキリ表現してくれて本当に嬉しい。可愛いだけの添え物に終わってしまわないかずっと心配していたので・・・。
それでもまだちょっと緊張してしまう智絵里に別のおまじないを提案するプロデューサー。
今回は八面六臂の活躍ですね。アイドルたちにもっと踏み込む決意をしたのが7話で、その後となる9話で一度CI回がありましたが、その頃と比べても段違いのコミュニケーション力です。さらにできるようになったな、プロデューサー!
前回のようにアイドル同士で協力して解決するのもよいですが、これくらい踏み込んでくれる話もあると安心します。アイマスはあくまでアイドルがメインですが、やはりプロデューサーのサポートもあってこそだと思うので。

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智絵里の手から四つ葉のクローバーは消える運命にあるのだ・・・。

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しかし、智絵里は自分で、自分だけのおまじないを閃きます。
思えば、今回のお仕事はあまりに有能な杏に助けられてばかりの智絵里とかな子が、杏から離れて独り立ちするお話でした。
かえるさんのおまじないを授けたのは誰か。そう、他でもない杏ではなかったか。(きっかけは未央だけど)
杏の態度がそっけなかったのも、独り立ちしようとしている2人を見て、それを妨げないようにするためでした。
かえるさんのおまじないを捨て去るのは、智絵里が自分の力で前に進む決意ができたメタファー。
2人はようやく、CIのセクシー担当とキュート担当ではない、アイドルの緒方智絵里と三村かな子として初めての第一歩を踏み出したのです。

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前を向いた2人を待っていたのは、見るも美しいガラス細工の世界でした。
同じ店なのに、最初に訪れたときとは色の描き方がまったく異なります。2人が見えている世界がまるで違うことを画面で巧みに表現する演出です。
智絵里が魚子の読み違いを指摘されたとき、「ごめんなさい」ではなく「ありがとうございます」と返事をさせたのも、細かいながら見事な脚本だと思います。以前の智絵里なら間違いなく「ごめんなさい」と言っていました。
そこから魚子紋様への興味に繋げるファインプレー。智絵里、よくやったな・・・(ノД`)
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2人の心からの笑顔は、一度は冷めてしまった職人さんの心をも動かしました。
「うむ、いい『器』だ」
職人さんの台詞は、2人が作った江戸切子と、アイドルとしての素質にかかったダブルミーニング。

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KBYDの姉妹感ほんとすこ。

そして結局、素直になった杏はきらりと一緒に智絵里とかな子の様子を見に来たのでした。
何でこの2人は歩くときずっと手を繋いでるんですかにぃ・・・。
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手のひらを出す前に一瞬顔を見合わせる2人の笑顔も最高に可愛いので一時停止推奨。
「早く杏離れして欲しいもんだよ」なんて台詞が出てきたのも、上手くやっている2人を見て杏が安堵したから。
なんだかんだ言って、子離れできない親馬鹿のような杏なのでした。
今回はあんきらがあまりにも尊すぎるので印象が霞みがちですが、CIあってこそのアニメあんきらであり、智絵里とかな子のよさも存分に表現できていたと思います。
今の智絵里とかな子と杏によるCIは、以前の100万倍はすごいユニットになっているはずです!(小並感)
それにしても、あえてあんきらを引き離したCIというユニットの、その問題点を浮き彫りにするためにさらに杏を切り離し、あんきらを最良の形で表現する。こんなシリーズ構成考えた人の頭の中どうなってるんですかね。戦慄しますよ。もちろん良い意味で。


次回「If you're lost, let's sing aloud!」
迷ったら大声で歌え!・・・100%だりなつ回です本当にありがとうございました。

今回の題材となった江戸切子、調べてみるとなかなか面白いですね。
ガラス細工とガラスの靴いう点での共通性はすぐに思い至るとして、高級な芸術品として研究されていた薩摩切子が絶えてしまったのに対し、庶民の手で愛された江戸切子が今に至るのも印象的です。
まるで美城常務の目指すものと、シンデレラプロジェクトのようではないですか。
薩摩切子は主に深く色硝子を被せたものが好まれましたが、江戸切子は無色透明のすりガラス、あるいは薄く色硝子を被せたものが好まれました。
そんなところも対照的ですね。
9話のクイズにあった通り、ガラス製品を輸入するときの緩衝材に使われたのが白詰草だったりなんかもしちゃったりして。

あ、四つ葉を手のひらに書くおまじないは末代まで伝えたいと思います。
それでは。