そして、12時を告げる鐘の音が鳴る。


ネタバレ防止のために本文は続きに格納します。
第22話「The best place to see the stars.」
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ついに幕が上がった秋の定例ライブ。
奏の「Hotel Moonside」、そしてアーニャの新曲「Nebula Sky」。
夏フェスのときに見上げたあの美しい星空。それを具現化するような透き通った歌声。
見事に歌い上げて、ステージから見えた景色はまさに、
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「Красивые(クラスィーヴィェ)」
きれいです、と一言。
このカット、イヤリングの動きまで丁寧に描き込まれている。
美城常務はVIP席からその光景を見下ろしながらも、満足することはなく当然のものといつもの様子。

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ライブ会場描写に定評のあるアイマス、今回も非常に作りこまれていました。
フラスタも実際に贈られたものからの引用ですが、ちょっと問題が・・・。アニメで描かれて嬉しい人、嬉しくない人はいると思いますが、流石に他の出演者宛に贈られたものを改ざんしちゃうのはナシでしょう(汗)


戸惑いの笑顔
プロジェクト・クローネに続いて、他の先輩アイドル、そしてシンデレラプロジェクトの出番も迫ってくる。
みくは冬の舞踏会が気がかりのようだが、プロデューサーは会場のお客さんと笑顔で楽しむようにと伝えた。
彼女たちの実力は十分に理解している。それを発揮すれば大丈夫という自信と、信頼があるのだ。
皆で手を取り合って円陣を組む。面子が多少変わっても、リーダーはもちろん美波だ。
少し迷って熊本弁を発するプロデューサーと、むふーな蘭子が可愛い。
裏方に回ってもやる気を見せる未央と卯月。
シナリオの妙だが、ここで今の卯月がステージに立っていればおそらく失敗していただろうし、逆にそのことによって問題が深くなる前に解決に向かえたかもしれない。

トライアドプリムスの控室。さすがに緊張を隠し切れない奈緒と加蓮だが、凛は落ち着いたもの。
そこへ、未央が陣中見舞いにやってくる。
未央は正直に、このライブにNGsで出たかったと凛に伝えた。それは愚痴ではなく、純粋な気持ちだけの話。
だけどNGsが先に進むためには、一緒にいるだけが全てじゃないと未央はもう理解している。
「やってみないとわかんないことあるって、わかったから」
「今はお互いに思いっきりそれを頑張って、そして・・・」
「次に繋げよう!」
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場所は離れても、繋いだ絆は離れない。そう確信する2人。
しかしその場に大切なもう1人の姿はなく。
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卯月はまるで凛の、「トライアドプリムスの渋谷凛」の姿を避けるように、裏方の仕事に打ち込んでいた。
おそらく、無自覚に。
卯月の顔を見に来た凛に、卯月は戸惑いつつもエールを送る。
その様子に未央は違和感を覚え始めるが、この時点ではまだ小さなもの。
卯月自身でも自分自身の感情が理解できないまま、ライブは進む。

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夏フェスよりも圧倒的にレベルアップしたシンデレラプロジェクトが会場を大きく盛り上げる。
部長はアイドルたちの個性と笑顔に満足げ。常務もさすがに、彼女たちの素質は認めざるを得なかった。
しかし、だからこそ美城の名に相応しいものであるべきだ、という考えに揺らぎはなかった。

後半トップを飾るのは橘ありすと鷺沢文香。
しかし様子のおかしかった文香は、自らの出番を前にしてついに倒れてしまうのであった。
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受け継がれる伝説
救護室に担ぎ込まれる文香。極度の緊張で胃痛を起こしたようだ。
無理もない、常務の方針のおかげでこれほど大きな初舞台を用意されてしまったのだ。
NGsの初舞台も新人にしては大きかったが、規模はこの半分以下である。
奏のように(内心はともかく)平然と舞台に立てる方が珍しく、特に人見知りの文香にとってかなりの負担であっただろう。
突然のトラブルに現場は大混乱。しかし最高責任者である美城常務の姿がない。
舞台スタッフはその場にいる346プロの人間に指示を仰ぎますが、彼らでは勝手な判断もできません。
だからといってお客さんを放置するわけにもいかない。
進退窮まったかと思われたそのとき、いち早く事態に気付いた未央がプロデューサーを連れてきました。
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現場の判断で、すぐに出演者順を入れ替えることとなりました。
おそらく、凛がまさに言わんとしていたこともそれだったのでしょう。
いきなり、しかもトラブルを伴って回ってきた自分の出番。
凛は落ち着いていますが、文香やありすと同じように初舞台に緊張する奈緒と加蓮は困惑気味です。
それでも「いける」と2人を信じて判断する凛。
出演順入れ替えまでの間は、シンデレラ一門プロジェクトお得意?のMCで繋ぎます。
この時点でようやく常務に連絡が届く有り様。あるいはちひろの計略かw
何にせよ、常務の判断を仰いでいては圧倒的に遅かったことが伺えます。

凛が励ますも、ステージ前でなかなか緊張の取れない奈緒と加蓮。
それを励ましに来たのは未央と卯月でした。
芝居ががった動きで突然フライドチキンの魅力を語りだす未央。
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言うまでもなく、これは3話で3人の初舞台を助けたあの掛け声のアドバイスです。
ほっと場が和んだところで、
「奈緒ちゃん、加蓮ちゃん」
「しぶりんを、頼んだよ!」
卯月も自ら凛の手を取り、5人で手を結ぶ。
ニュージェネレーションズ、トライアドプリムスが1つとなって。
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「「いってらっしゃい!」」
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「「「いってきます!!」」」




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この光景が見たかったんや・・・。




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「いってくる、見てて」
「もちろんです。私は、あなたのプロデューサーですから」
プロデューサーから送られる最高のエール。

「チョコ!」
「レー!」
「トー!」
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そして、3つの波紋が会場に鳴り渡る。

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三蒼色の波紋疾走。
重なりあう歌声に一瞬で全て飲み込まれる。
――これが、トライアドプリムス。

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未央は目を輝かせ、卯月も祈るような気持ちで舞台を見つめる。
凛やトライアドプリムスを応援するその想いに、嘘偽りなんてないはずなのに。
卯月の階段は、まだ2段低いまま。

かつて3人で練習をしていたあのとき、これほどまでのステージが見えていた人はいるでしょうか。彼女たちにはそれが見えていた。
裏話をすると3人でTrancing Pulseの練習をしたシーンは、歌の収録より先にアフレコ現場でほぼ一発録りをやったそうだ。
だからこそ、いかにも歌い慣れていない感じが真に迫っていた。
演出手法としては究極的な手段の一つだと思うが、それを早計にも勘違いしてやれ音程がどうのこうのと言っていた連中にはザマミロという気持ちであるw
どんなプロ歌手ですら、歌の収録もライブも何度だって練習して、最高の1回を客に見せるんですよ。
ああ、それにしても最高の上松+エレガサウンド。適合者でもある自分としては、いつ変身するのかとヒヤヒヤしましたがwまさか、加蓮・・・絶唱を・・・!?


見上げる星
未央がTPに掛け声を教えたように、シンデレラプロジェクトのみんなが先輩としてプロジェクト・クローネのみんなを励ます。
プロジェクト・クローネが互いに声を掛け合っていなかったのは、そういうキャラだとか不仲だとかいうわけではなくて、どうしていいか分からなかったから。
文香もありすとラブライカのように手を繋いではいましたが、仮にも相手は12歳の少女。自分の不安をぶつけることもできず、抱え込んでしまったんでしょう。
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そんな優しさを察したのか、ありすは文香に名前で呼んでもいいと伝えます。それがありすにとっての励ましでもあるのです。ちょろい
真面目な奏にアドバイスするのが杏というのも面白い。この2人も案外いいコンビかも。
そして、その一連の全てを見守っていたカリスマ先輩。こうして受け継がれて、これからチームとなっていくのだ。
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ステージ下に降りてきた常務は、ずっとそこからライブを見ていました。
一度は倒れた文香とありすも、決して翳ることのない輝きで舞台に戻ってきました。
その光景を見上げていた常務に声をかける部長。
「うん、いいもんじゃないか。ここからライブを感じるのも」
「上からしか見えない景色も美しい。が、それを支える存在が、ここにはあるね」
「アイドルという夢で繋がった、女の子たちの絆。いいもんじゃないか」
今度は、今度こそ、ついに常務はその言葉を否定しませんでした。
あの星を見るために最高の場所。
今回のタイトルはここにかかっているのですね。

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一方卯月は、自分にぎゅっと力を込めますが、それが上手く行っていない様子。
頑張れなく、なっている?


シンデレラの魔法が解ける時
秋のライブは大成功に終わりました。
シンデレラプロジェクトの中間審査はもちろん合格。
常務はあくまで現場の対応を評価しただけでプロデューサーの方針を認めたわけではない、などと言っていますがツンデレというやつですねこれは。(身も蓋もない)
とにもかくにも、ひとまずライブを無事に乗り切り、アーニャと凛も引き続きプロジェクト・クローネでやっていくことが決まりました。
卯月は何故かびっくりしていましたが、いくら何でもあのライブで歌ってハイおしまい、はないだろうと思いますが(汗
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後半は加速度的に卯月の危うい描写が増えていきます。

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プロデューサーの提案で美穂とユニット組んだ卯月ですが、得意なはずの笑顔で何故か失敗を連発。
美穂に励ましてもらうものの、自分の気持ちを切り替えられない様子。
そこへプロデューサーと凛が来て、スタッフに謝っているプロデューサーの姿を見た卯月はますます気持ちの混濁が激しくなります。
笑顔。プロデューサー。凛。トライアドプリムス。常務。ニュージェネレーションズ。頑張ります。
ぐるぐる、ぐるぐると。
その様子は誰の目にも明らかにおかしいところまで来ていました。
流石に仕事の続行は困難と判断したプロデューサーは卯月を帰らせますが、その心中までは理解することができませんでした。
いや、おそらく誰にも卯月の気持ちを理解することはできないでしょう。今の時点では、卯月本人ですら分かっていないのだから。
凛、未央、プロデューサーが卯月の違和感に気づくのが遅れたのもそれが原因。
自分の悩みが何なのかわからないから、相談することすらできない。
周りのみんなは自分の気持ちに素直に良い方に向かっているのだから、それを悪いこととして捉えてしまう自分の「何か」を認められないような、そんな印象を受けます。

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美しい城を背に、階段を降りる卯月。
無情にも、刻は12時を刻むのでした。


次回「Glass Slippers.」
ガラスの靴。英語では紐で結ばない上履きは全般的にslipperと表記される。
まずは卯月が自分の気持ち、悩みを整理することが必要ですね。
卯月にとってのガラスの靴とはなんなのか・・・。そして、それを届ける王子様は誰になるのか。
「12時過ぎの魔法」にも期待がかかります。


最終話も近くなってきたことでいよいよ総評的な感想も目立ってきたが、とにかくデレアニは真面目にドラマを追求したアニメだなあとひしひしと感じる。
そも、シンデレラガールズは本家と違って「アイドル100人以上の色物集団」であり、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」で誰にでも1人は好みのキャラがいる・・・とまあ、外部からの評価はそんなところである。
それは決して間違いではないのだが、大事なのは「公式が1人1人のキャラクターを大切にしている」ことである。
たくさんの子に突飛な属性をつけて、それをイジって面白いねー可愛いねーではデレマスは成立しない。プロデューサーは自分の担当アイドルを1人の人間、1人のキャラクターとして向き合っているのだ。
アニメ制作にもその感覚は当然のように受け継がれている。
近年のアニメにありがちな属性が服を着て喋っているような描き方はしない。テンプレート的に笑わせに来る会話運びや演出も含めて、アニマスでもかなり控えめであったが、デレアニでは輪をかけて控えめであるように思われる。
キャラクターを消費社会的に食いつぶして楽しむようなやり方は、一時的には大きく盛り上がるが、食い尽くしてしまえば何も残らない。そうやって消えていった人気アニメ・人気キャラクターの数々の屍の上に、アイマスは立っている。
デレアニのような大衆娯楽に非常に向きそうなイロモノ素材だからこそ、学術論文のような方向性を強く目指さなければ、お客さんの印象は変えられないだろう。
それがお客さんにとって楽しめるものかどうかはまた別として、正しくアイマスであることを見せるのは大事だ。アイマスってのは"こんな内容"で涙するくらい、ファンが抱えている想いは複雑なのである。
そう、アイマスはファンも内容も「面倒くさい」のである(笑)

翻って、デレアニを「つまらない」と評するのは小学生並みの感想でしかない。
「爆笑コントを見に来たつもりが学術論文の発表大会が始まった」的なニュアンスしか読めないからだ。
そりゃハッキリ言ってつまらないし退屈だ。どっちが上とか下ではなく、一般的に娯楽漫画の方が面倒くさい論文読むより楽しいのは当たり前だ。
なのでデレアニを「つまらない」と言ってしまうのは、赤い物を見て「赤い」と評価するような見たままの反応でしかない。人それを小並感という。
もし自分はアニメについて一家言あると自信があるなら、一言で切り捨てるにしてももう少し出てくる言葉があると、まあそう思うのである。
一プロデューサーとしてもちょっとデレアニは真面目すぎて、気楽に楽しめる場面をもっと挟んで欲しかったのは正直な想いだ。
とは言え、これだけ女の子が出てくる華やかな絵面(しかもアイドルもの)で、こんなクソ真面目な作品が許される(売れる)のは近年だと非常に限られているだろう。
本来生死をかけたバトル物であるア艦これですらカレー回を始めとした数々のギャグシーンの山を積み上げたことを考えると、アニメ制作に携わる人たちの「たまには真面目な作品が作りたい」という欲求のぶつけ先としてアイマスが選ばれるのは光栄なことであると同時に業でもあるのだ。

P.A.WORKSくらいギャグとシリアスを硬軟織り交ぜてくれてもいいのだが・・・あれはあれで独特の作風なので難しいか。
それでは。